ブックレビュー

【要約】『イライラしがちな人に薬より効く処方箋』こころの処方箋

テーマ
こころの処方箋
監修
カウンセラー

私たちは毎日、勉強や仕事・家事といった様々なことをして生活しています。

そんな中で、友人と喧嘩した、上司に理不尽なことを言われてイライラする、毎日同じ繰り返しで退屈だ。

そんなことを一度は感じたことがあると思います。

 

本書のタイトルは『こころの処方箋』著者の河合隼雄さんは、こころ理学者であり京都大学名誉教授、文化功労者です。

みなさんは、こころ理学者・こころ理カウンセラー・こころの専門家というとどんな想像をしますか?

人のこころがわかる、相手のことを知るプロフェッショナルだ。そんなイメージがあると思います。

しかし著者は言います。

「人のこころがいかにわからないかということを、確信をもって知っているところが、専門家の特徴である」

なるほど、専門家というのは前提が我々一般人とは異なるということです。なので、別に人のこころを読むとかそういうことはしないのです。そんな著者の好きな言葉がこちらです。

「ふたつよいことさてないものよ」

この言葉は、ひとつよいことがあると、ひとつ悪いことがあるとも考えられる、ということです。

常にこの言葉をこころのどこかにおいて生活してみてはどうでしょうか?

本書はもともと新聞のコラム記事だったようです。話は短くまとめられているので読みやすいかと思います。

 

【著書情報】

タイトル こころの処方箋
著者名 河合 隼雄
出版社 新潮社
ページ数 241ページ
発売日 1998/5/28

 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

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説教を効果的にしようと思うなら短くすることを工夫しなくてはならない

仏教とは?

説教で語られる話が、何といっても「よい」話には違いないので、話をしている本人が自己陶酔するので長くなるようである。

平素の自分の行為の方は棚上げしておいて、「よいこと」を話していると、いかにも自分が素晴らしい人間であるかのような錯覚も起こってくるので、なかなか止められない。

これを聞いて、はっ!となった人もいるのではないでしょうか?

始めはちょっと注意するくらいだったのが説教になりダラダラと話しているとただの自己満足になっているんです。この状態だと、話をしている本人が気持ちよくなっているだけで、話を聞かされている側としてはただただ苦痛でしかありません。

説教をされて苦痛だと感じる方は「ああ、この人は自分に酔っているんだな、仕方ない聞いてあげよう」このくらいの気持ちで聞いてあげるのが相手のためでもあり自分のためにもなります。説教というのは基本的に「よい」話であることが多いですが、話が長くなると相手にとって苦痛となる場合が多いです。

なので、話す側がもっと工夫をする必要があります。

著者は言います。

説教を効果的にしようと思うなら、短くすることを工夫しなくてはならない。自分が絶対に言いたいことに焦点を絞る、繰り返し同じことを言わない、とこころに決めておく。

そうすると、説教をされる側としては、またはじまるぞ、どうせ長くなるのだろう、と思っている時に、パッと終わってしまうのでよい印象を受け、焦点の絞られた話にインパクトを受ける。

なるほど、これは正解。

しかし、ここまで考えて話をする上司に私は巡り合ったことがない。ぜひ上に立つ人は実践していただきたい内容である。

また、ここまで考えて的確に焦点を絞って話すことができる人間であれば自分に酔うことなどないということでもある。

ぜひこのような上司を目指していただきたい。

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こころのなかの勝負は51対49のことが多い

著者がカウンセラーをしていた時の話です。あるとき、無理に連れて来られた高校生で、椅子を後ろに向け、私に背を向けて坐った子が居た。

あなたがカウンセラーだったらどう思いますか?

著者はこのように言います。

「ああ、やりやすい子が来たな」だそうです。

この高校生にしても、カウンセラーのところなど行くものか、という気持ちの反面、ひょっとしてカウンセラーという人が自分の苦しみをわかってくれるかも知れないと思っているのだ。

人の助けなど借りるものか、という気持ちと、藁にすがってでも助かりたい、という気持ちが共存している。

こころのなかの勝負は51対49という話なのですが

「51」というのが表面に出てくる部分で「49」というのが隠れている部分になります。

この高校生の場合

「51」カウンセラーのところなど行くものか←後ろを向いて座る

「49」ひょっとしてカウンセラーという人が自分の苦しみをわかってくれるかも知れない

こういうことである。

自分以外の誰かと接するときはこのような気持ちをこころに持っているといいです。表面的には「批判的」な態度をとったとしても実は「肯定的」だということもあります。

つまり、意見が対立した場合はすぐに結論を出すのではなく、時間をかけて「51」ではなく「49」の部分をだす努力をお互いにするべきなのです。

依存をなくしてゆくことによって自立を達成しようとするのは間違ったやり方である

依存をなくしてゆくことによって自立を達成しようとするのは、間違ったやり方である。自立は十分な依存の裏打ちがあってこそ、そこから生まれてくるものである。

子どもを甘やかすと、自立しなくなる、と思う人がいる。確かに、子どもを甘やかすうちに、親の方がそこから離れられないと、子どもの自立を妨げることになる。

このようなときは、実は親の自立ができていないので、甘えること、甘やかすことに対する免疫が十分にできていないのである。

親が自立的であり、子どもに依存を許すと、子どもはそれを十分に味わった後は、勝手に自立してくれるのである。

 

子育てと新人教育というのは似ていると私は思います。新人教育の際に「おこる」のではなく「ほめる」ということです。

また、新人が自ら考え行動できるようになるまではしっかりと1から100まで教えましょう。「私はできるから」「これくらいできるだろう」という考えで教えてはいけません。

自分ができても相手ができるとは限らないからです。言葉がわからないあるけない赤ちゃんに「これくらいできるだろう」とは思わないですよね?

それと一緒です。

まとめ

端的に言えば、ここには「常識」が書いてあるのだ

著者が最後にこう言っています。

そうです。

この本には常識が書かれています。

なので、終始「フムフム」と頷きながら読むことになるのです。

『未来の常識は現在の非常識だ』

私はこの考え方が好きです。

と、その前に常識ってなんだ?と思ったときこの本を読み返すことにしています。また、全体的にこのようなテイストで書かれています。

「いいとこもあれば悪いところもあるよね」

「悪いところもあればいいとこもあるよね」

「でもそれってこういうことじゃないのかなあ?」

『著者は2つの目で見る』と表現しています。

正直、モヤモヤするのですが嫌な気持ちはやわらぐように思います。

これが「こころの処方箋」なのです。

物事には表と裏があります。自分の長所と短所も裏表です。

表面だけで物事を判断せずに、一度立ち止まって裏面も考えてみてはどうでしょうか?

嫌なことがあれば良いこともあるのです。良いことがあれば嫌なこともあるのです。

「ふたつよいことさてないものよ」

Biz人 編集部

「明日の仕事の役に立つ情報を、一人でも多くの人に提供したい」そんな思いで運営しています。ご自身のご知見・ご経験を世の中の役に立たせたいとお考えの仲間を募集しております。

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