ブックレビュー

【要約】問題解決|あらゆる課題を突破するビジネスパーソン必須の仕事術|すべてのビジネスパーソンに参考になる仕事の進め方!

テーマ
問題解決|あらゆる課題を突破する
監修
読書マニア

「問題解決」は、全てのビジネスの現場で日々必要とされる考え方です。どんな業界においてもビジネスの現場では問題解決が行われており、その本質と手法は共通しています。しかし、世の中にはその本質や手法を知らず、頑張って問題解決に取り組んでいるけれども成果が出ていない人も数多くいるのが事実です。

本書、『問題解決あらゆる課題を突破するビジネスパーソン必須の仕事術』は、問題解決を全てのビジネスの現場で必要とされる普遍的な「仕事の進め方」と定義し、どんな業界でも使える問題解決の教科書を目指した一冊です。1000社を超える企業で問題解決の研修や講演を行ってきた著者陣による問題解決の進め方、すなわち普遍的な仕事の進め方が体系的に整理されており、全てのビジネスパーソンが参考にできる内容の一部を紹介します。

 

【著書情報】

タイトル 問題解決あらゆる課題を突破するビジネスパーソン必須の仕事術
著者名 高田貴久+岩澤智之
出版社 英治出版
ページ数 341ページ
発売日 2014/3/10

 

【章立て】

第1章:問題解決の手順

第2章:問題を特定する

第3章:原因を追及する

第4章:あるべき姿を設定する

第5章:対策を立案する

第6章:対策を実行する

第7章:結果を評価し、定着化させる

 

2種類の問題解決

本書では、問題解決における問題には2種類あるとされています。①発生型と②設定型の問題であり、それぞれの問題を解決するための手順が解説されています。

まず、①発生型の問題は「誰がどう見ても問題だと共通認識できる問題」と定義されています。ビジネスでいうと、「赤字が出ている」、「顧客からクレームが発生している」、「製品不良が出ている」などの明らかに良くない状況になります。そのため、発生型の問題解決ではマイナスの状態を普通の状態に戻すことが目的となります。

一方で、②設定型の問題は「見る人によっては問題と思うかどうかに違いが出る」ものであり、「問題が問題であること」を説明する必要があります。ビジネスでは、「営業利益率が5%しかない」、「納期が10日間かかっている」などの問題が該当します。設定型の問題解決では現状をあるべき姿に持っていく、ゼロをプラスにする問題解決であり、一般的に①発生型よりも難易度が高くなります。

問題解決の手順

問題解決の手順は、解決するべき問題が発生型か設定型かによってやや異なります。しかし、まずは基本的な問題解決の型である発生型の問題解決の手順をマスターすることが肝要です。

発生型の問題解決のプロセスは、⑴Where:問題がどこにあるのか、⑵Why:その問題の原因は何か、⑶How:ではどうすればよいか、を順番に解き明かすことです。まずは問題がどこにあるのか?を絞り込み(Where)、その問題を引き起こしている原因を広く深く掘り下げます(Why)。そして、最後に問題を起こしている原因に対する効果的な打ち手(How)を実行するのです。

この問題解決の手順で気を付けなければいけないのがHow思考の落とし穴です。多くの人が陥る現象に、問題に直面するとすぐにその対策案、すなわちHowを出したがる傾向があります。例えば、売上が落ち込んでいる対策を考える会議で、「営業担当の訪問強化」や「シェアの可視化」などの対策案が上がる場合は、典型的なHow思考の例です。しかし、売上が落ち込んでいる問題でも、「どの商品の売上が落ち込んでいるのか?(Where)」や「なぜその商品の売上が落ち込んでいるのか?(Why)」によっては打ち手も変わるでしょう。いきなりHow思考に陥らず、手順にWhere、Why、Howを考えることが必要なのです。

上記は発生型の問題解決ですが、設定型の問題解決においても手順は類似しています。異なるのは、設定型では一番はじめに「問題を設定する」必要があるという点です。例えば、「営業利益率が5%しかない」ことを問題とする場合、なぜそれが問題なのかを明確にし、共通認識を得なければいけません。その際に、あるべき姿を設定して、現状と照らし合わせて問題を設定するのですが、やや難易度の高い作業となります。問題の設定ができれば、以降は発生型の問題解決と同じプロセスをたどります。

Where:問題の特定

問題が発生した時、もしくは問題を設定した後はその問題の特定に取り掛かります。問題の特定において重要なことは、問題の全体像を正しく捉え、適切に絞り込むことです。

問題の全体像はMECE(漏れなくダブりなく)に考える必要があります。問題の全体像を捉える際に、もし見落としがあれば後のステップでWhyやHowをどれだけ適切に考えても根本的な解決にはならないでしょう。また、ダブりが多くなると個別の問題を検討する際に重複が多くなってしまい効率が悪くなります。問題の全体像をMECEに捉えられているかは、同僚や上司を巻き込んで何度も議論し、繰り返し確認する必要があります。

問題の全体像を正しく捉えられたら、問題の絞り込みを行います。問題の絞り込みとは、問題を分解することで問題の解像度を上げることです。例えば、「事業部の売上減少」という問題であれば、どの商品の売上が減少しているか、どの地域で売上が減少しているか、のように様々な切口で絞り込みを行います。この時に気を付けなければいけないのが、分解と掘り下げを混同しないことです。「なぜ?」を掘り下げてしまうと次のWhyのステップとなってしまいます。ここではあくまで問題を分解するのみに留める必要があり、「なぜなぜ」ではなく「どこどこ」を掘り下げます。

問題が分解できれば、何が真の問題なのかが見えてきます。実際に行った分析過程で得られた数字などを論拠として、解くべき真の問題を示すことができれば良いでしょう。

Why:原因の追究

問題の特定ができれば、次は問題の要因を特定します。表面的な問題に対して、そのまま対策を行う「コインの裏返し」は避けなければいけません。絞り込んだ問題に対し、「なぜなぜ」を何度も繰り返し、問題を引き起こしている真の要因を突き止めます。

ここで、問題の絞り込みの際に用いた「どこどこ」分析との違いは、掘り下げることで主語が変わる点です。「売上減少」という問題に対し、「どこどこ」分析ではあくまで「地域Aの売上が減少」、「商品Aの売上が減少」と、主語は売上でした。しかし、「なぜなぜ」分析による要因の掘り下げでは、「注文人数が低下」、「注文単価が減少」といった具合に主語が変わってきます。

要因特定のなぜなぜ分析は、Whereで絞り込んだ問題の要因を「なぜ?」が打ち止めになるまで徹底的に繰り返します。この時、注意しなければいけないのは論理の飛躍と漏れがあることです。原因を掘り下げる時に論理の飛躍があると、問題と要因の因果関係が妥当ではなくなり、正しい問題解決ができなくなります。また、複数の要因が考えられる問題において、重要な要因を見落としてしまう(漏れがある)と、効果的な打ち手に繋がらなくなります。

なぜなぜを繰り返し、問題の要因を複数列挙したら、最後にどの要因に対して打ち手を実施するかを決定します。ここでは、打ち手を実施した際のインパクトの大きさ、打ち手の実現性や即効性などが論点となるでしょう。

How:対策の立案・実行

本書では、要因を特定した後に対策を立案し実行するプロセスについても解説されています。対策とは、「意図を持ってこれまでとは違うことをおこなうこと」と定義されます。今までとは根本的に何かを変えることで問題解決は成し遂げられるのです。

対策となる打ち手は、「成果につながること」、「わかりやすいこと」、「着実に実行できること」の3要素を満たすことが理想です。成果につながらなければリソースを割いて対策を実行する意味がありませんし、わかりやすく明快に対策を描けなければ組織内で抵抗に合います。そして、事前に対策を実行に移す際の障壁を考慮し、実行可能な対策を採択することも重要になります。

対策は問題の要因に対する打ち手でなければいけません。問題を絞り込み、要因を特定したフェーズでもHow思考に陥る人は多く見られます。要因に対する適切な対策をリストアップし、その中から実行する対策を選択する必要があります。実行する対策が決まれば、あとはやり抜くのみです。組織を巻き込んで対策を実行するには障壁もありますが、対策を最後まで実行して問題解決のプロセスは完結するのです。

Biz人 編集部

「明日の仕事の役に立つ情報を、一人でも多くの人に提供したい」そんな思いで運営しています。ご自身のご知見・ご経験を世の中の役に立たせたいとお考えの仲間を募集しております。

人気Articles

  1. マーケティングの中長期的戦略と短期決戦を詳しく解説

  2. マーケティングの基礎4P分析とは?具体例を挙げながらわかりやすく解説!

  3. 減価償却のやり方は?役割や記帳方法まで徹底解説!

  4. 仮払金と立替金の違いとは?内容や仕訳方法についてくわしく解説

  5. 内部統制監査の基本と具体例:監査法人による徹底ガイド

  6. マーケティング初心者でも理解できるマーケティング分析手法をわかりやすく解説!

  7. ペルソナ分析のやり方・方法は?フレームワークやステップをわかりやすく解説

  8. 有価証券とは?売買目的有価証券と満期保有目的債券について詳しく解説!

  9. 2022年新しいマーケティング戦略とは?

  10. 「貸倒引当金」とは?簿記や経理実務に必要な処理方法や仕訳方法について解説