経理/簿記試験

減価償却のやり方は?役割や記帳方法まで徹底解説!

テーマ
減価償却のやり方
監修
簿記マスター

経理を学ぶ上で避けて通れないのが「減価償却」。簿記の試験では、決算整理仕訳として頻出されるポイントの一つです。実務では、減価償却費を毎月計上している企業も多く、身近な勘定科目でしょう。

こちらの記事では、「減価償却」とそれに関連する「固定資産」について解説します。役割や意味について理解を深めることで、よりスムーズな仕分けができるはずです。



固定資産とは

資産とは一般的に、

  • 固定資産
  • 流動資産(現金、預貯金、売掛金など)
  • 繰延資産(開発費、株式発行費、開業費など)

の3つに分けられます。

この中で減価償却に係わる資産は、固定資産です。

会社では事務用品、パソコン、車、など業務に必要なものを購入していますが、その中でもある程度金額が高く、会社の財産として扱われるものを固定資産と言います。

さらに固定資産は、形のある「有形固定資産」と、形のない「無形固定資産」、「投資」の3つに分類されます。その中でも減価償却に係わるのは「有形固定資産」と「無形固定資産」です。

有形固定資産と無形固定資産の例は、以下の通りです。

有形固定資産

  • 建物
  • 備品
  • 構築物
  • 車両運搬具
  • 工具、器具備品

無形固定資産

  • 特許権
  • 商標権
  • ソフトウェア
  • 営業権
  • 意匠権

減価償却とは

建物や備品などの固定資産は、使用することや年月が経過することでその価値が取得当時よりも減少します。

例えば、ご自身が使用するスマートフォン。購入当時は15万円の価値があっても、使用していくことと購入から時間が経つことで、当初の価値が下がり、リサイクルショップに持って行くと3万円の価値だと言われることがあります。

同様に会社の固定資産と呼ばれるものは、取得当時の価値は上がるのではなく下がっていくものです。

この価値の減少を帳簿上で処理するのが減価償却の役割で、減価償却によって費用計上される金額を「減価償却費」と言います。

減価償却できるもの=減価償却資産

先述したように減価償却できる資産は「有形固定資産」と「無形固定資産」です。

この中にも以下の条件があます。

  • 実際にその資産が売上を得るための資産
  • 時間の経過とともに劣化する固定資産
  • 使用可能期間が1年以上
  • 取得価格が10万円以上

このような原価償却できる固定資産を「減価償却資産」と言います。

減価償却できないもの=非減価償却資産

反対に減価償却できない固定資産を「非減価償却資産」と言います。

稼働していない資産は減価償却できません。また、時間の経過とともに劣化しない固定資産、例えば「土地」は非減価償却資産です。土地は、時間が経って価値が上がることがあるからです。

減価償却の計算方法

減価償却の計算方法には、いくつかの種類がありますが代表的な方法は以下の2つが挙げられます。

  • 定額法=毎期同じ減価償却費を計上
  • 定率法=最初のうちに多くの減価償却費を計上

減価償却の計算で用いる用語

  • 取得原価=購入代金
  • 耐用年数=使用可能期間(法律で定められている)
  • 事業供用日=使い始めた日
  • 減価償却累計額=今までの減価償却費の累計
  • 未償却残高=減価償却されていない部分
  • 定率法償却率=法律で決められる償却率

減価償却を計算してみよう

実際に例題を使って減価償却を計算してみましょう。

コピー機(耐用年数5年)を20万円で購入した場合<定額法>

取得原価÷耐用年数=1年間の減価償却費

上記の公式により

200,000円÷5年=40,000円

となります。

5年間かけて、40,000円ずつ減価償却していくようになるわけです。

コピー機(耐用年数5年)を20万円で購入した場合<定率法>

未償却残高×定率法償却率=1年間の減価償却費

上記の公式により

1年目  200,000円×0.4=80,000円

2年目  80,000円 ×0.4=48,000円

3年目  48,000円 ×0.4=28,800円

となります。

毎年、同じ掛け率で計算し、減価償却していきます。

これらはあくまでも、1年分の減価償却費の計算方法です。

期中に購入し、使用を開始した固定資産については1年分の減価償却費を月割り計算し、使った月数の分だけ減価償却費を計上することになります。

  • コピー機(耐用年数5年)を20万円で購入
  • 定額法で1年間の減価償却費が80,000円と算出
  • 決算までの9か月間使用した

上記の条件で減価償却費を計算すると以下になります。

(1年間の減価償却費÷12カ月)×使用した月数

(80,000円÷12カ月)×9カ月=60,000円

となります。

ここでのポイントは、減価償却を開始するのは取得や購入した時点ではなく、使用を開始した時点というところです。前期に購入や支払いを完了していても、当期首に使用を開始したのであれば、当期から1年分の減価償却をしていくのです。

減価償却の記帳方法

減価償却費を算出したら、いよいよ仕訳をして記帳します。

ここで使用する勘定科目は以下の2つです。

  • 減価償却費
  • 減価償却累計額

また、記帳方法にも2つの方法があります。

  • 直接法
  • 間接法

直接法

減価償却費を借方に記入します。貸方には、帳簿上の価値を減らしたい固定資産の勘定科目を記入します。

例えば、備品で50,000円の減価償却費を計上する場合は、以下の仕訳になります。

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 50,000 備品 50,000

直接法で計上された金額は、賃借対照表上で対象固定資産残高として減ります。

前期末残高が200,000円だった備品を、当期末に上記仕訳を行うと以下になります。

貸借対照表
備品 150,000

上記のように、200,000円から50,000円が減り、当期末残高が150,000円となるわけです。

直接的に対象の固定資産勘定の残高減るので、直接法と言います。

間接法

直接法と同じように、減価償却費勘定を借方に記入します。貸方には減価償却累計額を記入します。

減価償却累計額は、資産のマイナスの意味を持ちます。

例えば、備品で50,000円の減価償却費を計上する場合は、以下の仕訳になります。

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 50,000 減価償却累計額 50,000

間接法で計上された金額は、賃借対照表上で減価償却累計額として増えます。

取得価格が200,000円だった備品で、当期末に上記仕訳を行うと以下になります。

貸借対照表
備品 200,000
減価償却累計額 △50,000

上記のように、備品勘定は取得価格のままで、そのマイナス勘定として減価償却累計額を毎年増やしていくのです。

直接対象の固定資産勘定を減らすのではなく、減価償却累計額として減価償却していくので間接法と言います。

まとめ

減価償却は、試験でも実務でも頻出するワードですが、しっかり理解しておくことでスムーズな仕分ができます。

全ての資産を減価償却できるわけではなく、法律上のルールに基づいて条件に合うものを処理します。また、その方法も種類があり、その会社のルールや特徴によって使い分けているのです。



Biz人 編集部 経理応援隊/簿記応援隊

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