経理/簿記試験

経理の仕事は何に役立っているの?仕訳処理とその活用方法を解説!

テーマ
仕訳処理とその活用方法
監修
簿記マスター

仕訳は簿記の第一歩であり、簿記を学んでいる方も初めて経理の仕事をしている方もまずは仕訳から行っている方が多いでしょう。

しかし、その仕訳が実際の経営戦略に直結する超重要な資料になることをご存知ですか?意外としっかり理解している方は多くありません。

当記事では、日々行っている仕分け作業が最終的にどのような資料となって、会社経営の役に立つのかを解説します。取引パターンによって仕訳を暗記するのももちろん大事ですが、その仕訳が最終的にどのような形になるのかを知っておくとより理解が深まります。



簿記の流れ

取引が発生、または従業員から領収書が提出されたとき、経理担当者が行うのが仕訳です。

簿記を学ぶ上で基本中の基本ですから、様々なパターンの仕訳ができるようにならなくてはいけません。仕訳を中心に業務や勉強を行っているとき、ふと「これは最終的どんな形で決算書になるんだ?」と疑問に思うことはありませんか?

 

総勘定元帳

総勘定元帳とは、勘定科目ごとに分類した帳簿のことで、仕訳帳や各伝票からの転機をすることでそれぞれ勘定科目の残高が分かります。簿記の世界では、その形式からTフォームと呼ばれることもあります。

取引の多い場合は、総勘定元帳転記の前に仕訳日計表を作成してミスを防ぐことも可能です。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 ① 10,000 売上 ② 10,000

 

借方 金額 貸方 金額
現金 ③ 20,000 売掛金 ③ 20,000

 

借方 金額 貸方 金額
現金 ⑤ 30,000 売掛金 ⑥ 30,000

上記は11/1の取引です。総勘定元帳にまとめると以下のようになります。

売掛金
11/1 売上  ①10,000 現金  ④20,000
売掛金 ⑥30,000

 

売上
11/1 売掛金  ②10,000
現金
11/1 売掛金  ③20,000
     ⑤30,000

このように、仕訳で登場した勘定科目である

  • 売掛金
  • 売上
  • 現金

の3種類の総勘定元帳となるわけです。

借方・貸方は、仕訳で記載した通りの方に書けばいいのでそこまで難しくはありません。

これを毎日積み重ねていくと、各勘定科目の一定期間における借方・貸方の合計から残高が算出されます。

現金
日付 相手科目 借方金額 日付 相手科目 貸方金額
11/1 売掛金 20,000 11/2 消耗品費 5,000
売掛金 30,000 11/3 買掛金 12,000
11/4 売上 45,000 11/5 旅費交通費 3,000
~~~~~
11/27 売掛金 6,000 消耗品費 4,000
11/28 売上 30,000 11/29 旅費交通費 20,000
11/30 売上 5,000
11/1~11/30 500,000 250,000

上記は、11/1~11/30までの現金勘定の総勘定元帳です。

赤い文字は借方・貸方の各合計金額となり、500,000円収入があり、250,000円の支出があったのがこの総勘定元帳で分かります。

また、表の右側に残高を記入していくとリアルタイムで残高確認ができます。

こうして各勘定科目の総勘定元帳が作成されるのです。

仕訳から総勘定元帳への転記は、日々やるべきことです。現代ではシステム化によって、PC上で自動的に転記されることがほとんどでしょう。

取引の量が多いとミスも当然あるので、月毎に試算表を作成してミスを解消しとくことも大切です。

賃借対照表・損益計算書

コツコツと仕訳と総勘定元帳への転記を行い、いよいよ決算期になると、賃借対照表と損益計算書を作成します。

決算資料作成の前には、決算整理仕訳といってその期中に入るべき取引とそうでない取引を選別する作業があります。簿記試験では、この決算整理から決算資料に至るまでの精算表作成の流れが出題されることもあり、この工程に苦手意識を持つ方も少なくありません。

しかし、実務ではシステム上での確認・入力になるので、ミスは大分減らせるようになっています。

賃借対照表の作成

賃借対照表に記載される勘定科目の例は以下の通りです。

資産 負債
  • 現金
  • 支払手形
  • 各預金
  • 買掛金
  • 受取手形
  • 借入金
  • 売掛金
  • 仮受金
  • 固定資産(土地や建物)
  • 前受金
  • 仮払金

純資産

前払金
  • 繰越利益剰余金など

決算整理仕訳を行ったら、上記の勘定科目の残高を賃借対照表に転記します。

損益計算書で算出された当期純利益(又は当期純損失)と、繰越利益剰余金を合算し、当期の繰越利益剰余金が算出されます。

繰越利益剰余金は、その会社がそれまで稼いできた利益が蓄積されたのもですから、この金額が大きければ大きいほど経営は安定していると見ていいでしょう。

反対に、損益計算書における利益が費用よりも少なくなると当期純損失となり、賃借対照表の繰越利益剰余金も減ります。とは言っても、繰越利益剰余金は、それまでの蓄えもあるのでよっぽどのことがなければマイナスになることはありません。

損益計算書の作成

損益計算書に記載される勘定科目の例は以下の通りです。

費用 収益
  • 仕入
  • 売上
  • 給料
  • 受取手数料
  • 旅費交通費
  • 受取家賃
  • 水道光熱費
  • 受取地代
  • 消耗品費
  • 受取利息
  • 雑損
  • 雑益

当期純利益

決算整理仕訳を行ったら、上記の勘定科目の残高を損益計算書に転記します。

当然ですが、費用よりも収益の方が大きければ黒字、反対だと赤字となります。黒字の場合は、費用と収益の差額が当期純利益、赤字の場合は当期純損失であり、この金額が賃借対照表の繰越利益余剰金に加算されるわけです。

この損益計算書は、費用の項目や一定期間にどのくらい儲けたのか又は損したのかが一目で分かるため経営戦略に使用されます。決算時だけでなく、毎月出力して経営戦略を練る会社がほとんどです。リアルタイムでの数字が必要ですから、仕分け作業は毎日その日のうちに行うことが理想です。

まとめ

私たちが行っている日々の仕訳や転記作業は、総勘定元帳への転記などそれぞれのステップを経て賃借対照表や損益計算書となります。

これらの資料は、素早く処理することで経営戦略を練るのにとても役に立つのです。スピードだけでなく正確性のある仕訳がとても大切ですから作業は増えますが、日計表や試算表を活用することで、ミスのない会計処理を目指せます。

経理担当者は、会社経営に役立つ重要書類を作っている自覚をもって、伝票や領収書は貯めずに、毎日コツコツと処理するといいでしょう。

 



Biz人 編集部 経理応援隊/簿記応援隊

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