ブックレビュー

【要約】スマホが学力を破壊する_子供がスマホを使う際の注意点・デメリットとは?

テーマ
スマホが学力を破壊する
監修
読書マニア

2010年より急速に広まったスマートフォンは、大人だけでなく、子供にまで影響を与えており、日常生活になくてはならないものとなりつつあります。しかし、スマホを使用することによるリスク、とりわけ子供たちによる長時間使用による弊害や、学校の成績に及ぼす影響については、まだよく知られていないように思います。

この本は、7万人の子供たちを対象に、数年間にわたって行われた大規模調査の結果を基に、スマホやアプリの使用がもたらす影響を解明して、スマホを使用するリスクを正面から論じた本となります。現代の全保護者必読の一冊と言えます。

ニンテンドーDS用ソフト 「脳トレ」シリーズの監修者としても有名な医学博士 川島隆太先生の書いた本です。

著書は他にも、「脳を鍛える大人のドリル」シリーズをはじめ、著書多数。

 

 

【著書情報】

タイトル スマホが学力を破壊する
著者名 川島 隆太
出版社 集英社新書
ページ数 215ページ
発売日 2018/3/21

 

【章立て】

第1部:スマホを使うだけで成績が下がる!?

第2章:睡眠不足が成績低下の原因か

第3章:スマホが先か、学力が先か

第4章:LINE等インスタントメッセンジャーの影響

第5章:テレビやゲームの影響

第6章:どれだけの生徒がスマホ等を長時間使用しているのか

第7章:勉強中のスマホ使用の実態

第8章:メディア・マルチタスキング

第9章:スマホが脳発達に悪影響を与えている?

第10章:スマホの依存度評価

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スマホを持つだけで成績が下がる!?

スマホを持つことで、子供たちの学力へ影響を及ぼすのか?それを調べるために、川島隆太先生ら東北大学加齢医学研究所は、2013年度に仙台市標準学力検査、仙台市生活・学習状況調査を行いました。仙台市立中学校に通う全生徒22390名のデータを解析して、その調査結果が本書に示されています。

調査結果からわかるのは、スマホの使用時間が長い子ほど、勉強時間が短くなり、成績が下がる傾向にあるということです。もちろん、スマホを持っているにも関わらず、成績が良い子も中にはいるでしょう。ですが、20,000人以上ものデータとなるので、このデータの信憑性は高く、スマホを所持して使用すればするほど、学校の成績に悪影響を及ぼすことは、否定しようのない事実だろうと思います。

このデータは2013年ですが、実際には、川島先生ら東北大学加齢医学研究所が、2010年の2月に、仙台市の教育委員会と、組織的連携協力に関する協定を締結していることから、川島先生はかなり前から、スマホが子供に与える影響を危惧していたことがわかります。そして、2023年現在は、さらにスマホを持つ子供の年齢が低くなっています。

スマホを持たせようとする、携帯メーカーの画策は年々強く上手くなっていますが、何の規制もなく、スマホが子供に広がれば、学校の成績低下だけでは済まされなくなります。親御さんだけでなく、今、日本の成人全ての人が問題を考えなくてはいけない事例なのです。

 

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睡眠不足が成績低下の原因なのか?

子供の成績が落ちる背景に、スマホとの因果関係があったとしても、スマホだけが原因があるのか、他に要因はないのか?事実を把握するには、あらゆる可能性を検証する必要があります。

携帯・スマホの使用時間が長い生徒の学力が低いことの説明として、これらの機器を長時間使用していることによって、睡眠時間が短くなり、単にそれが直接学力の成績に表れただけの可能性があります。

そこで、中学生の睡眠時間が6時間未満、6~8時間、8時間以上の3つのグループに分けて、学力調査を行ったところ、睡眠時間の長さに関わらず、どのグループも、スマホ等の使用時間が長ければ長い生徒ほど、成績が低いことがわかりました。寝ていようが寝ていまいが、長時間のスマホ等を使用している生徒の学力が低いということがわかりました。

実験データから検証した結果、スマホ等の使用による成績の低下は、学習時間とも、睡眠時間とも直接は関連せず、スマホ・携帯の使用が直接、成績に影響を与えている可能性が高くなったということです。

スマホを使用することのリスクは成績低下だけではない

近年、コロナの影響もあり、不登校になってしまう子供らが急増している問題があります。なぜ、コロナの影響があったのかというと、コロナの時にはマスクを使用することが常となり、コミュニケーションを取ることが不得意な子には相手の顔が見えず、学校がより過ごしにくい場となってしまうケースが増えました。また、リモート授業というものが出てきたことで、もともと不登校だった子が目立たなくなり、周りの子とより疎遠になってしまうなど、コロナは、子供たちのコミュニケーションにも大きな弊害を与えました。

そんな学校に行かない不登校の子らにとって、スマホという存在は、またとない暇をつぶす娯楽のツールになりえると共に、学力低下を引き起こしてしまいます。大人から見れば、少しぐらいにスマホの使用がなんだと思うかも知れませんが、子供が学校に通う年代というのは、成長して当たり前なのです。ボーっと何もしないでいる子は後退しているのです。当然、これらのリスクは、不登校の子らだけでなく、スマホを所持している全ての子供たちに発生します。

また、スマホに依存してしまう子供たちも後を絶ちません。その依存性を考慮すると、様々なアプリのあるスマホは、テレビやゲームなどよりも、とてつもなく悪影響を及ぼしている可能性があります。本書では、LINEアプリを使った場合にどのような影響を与えるか、ということも調査を行って記しています。実際に部活動の連絡をLINEで行っているような部活も、多いと思いますので、大人も子供も、もっと関心を持つべきと思います。

まとめ

2013年から2015年にかけて、既にこのようにスマホを所持する危険性が伝えられていたにも関わらず、今現代では、さらにスマホがないと生活できないような子供たちがどんどん増えていっている現実があります。この本では、2013年の中学生の調査を行った結果をお伝えしていますが、自分の子供がスマホなどの依存症にならないよう、小学生の段階から、スマホ利用のメリット・デメリットについて、しっかりと公教育の場で学ばせることが必要だと考えます。

Biz人 編集部

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