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内部統制監査の基本と具体例:監査法人による徹底ガイド

テーマ
内部統制監査
監修
監査法人社員

内部統制とは、企業の経営活動におけるリスクを管理し、業績を適切に維持し、企業の資産を保護し、法令の遵守を確保するためのシステムのことを指します。

内部統制は、企業活動を適切にコントロールし、企業の目標達成を支援します。

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COSOフレームワークに基づき、内部統制は以下の五つの主要な要素から成り立ちます。

  • コントロール環境
  • リスク評価
  • コントロール活動
  • 情報とコミュニケーション
  • モニタリング

 

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内部統制監査の目的と基準

内部統制監査の目的

内部統制監査の主要な目的は、内部統制が適切に設計され、効果的に運用されているかを評価し、その結果をステークホルダーに報告することです。

 

内部統制監査の基準

日本の内部統制監査は、一般に「内部統制報告制度に関する規定」に基づいて実施されます。

また、監査法人は、公認会計士法や監査基準などを順守します。

 

 

内部統制監査のプロセス

ウォークスルー

監査法人は、内部統制の設計を理解します。

そのために、内部統制プロセスの初めから終わりまで証憑をもとに企業の実施している内部統制プロセスを理解します。

 

D&I

監査法人は、ウォークスルーによって理解した内部統制に基づくと、企業が達成しようとしている内部統制の目的が達成できるかを検討します。

具体的には、実施する人や頻度、粒度等を確認してその達成可能性を検討します。

 

運用評価手続

内部統制の理解と評価の後、監査法人は詳細なテスト(運用評価手続)を実施します。

これは、内部統制が適切に設計され、効果的に運用されているかを確認するためです。

具体的には、D&Iの結果、財務諸表の適切性を担保するために特に重要であると判断した内部統制プロセスをキーコントロールとして設定し、そのキーコントロールを実施するために必要な証憑をサンプルベースで検討します。

 

内部統制監査の具体例:財務報告のプロセス

プロセスの概要

財務報告のプロセスにおける内部統制監査では、記録される財務情報の正確性と信頼性を確保するための措置が適切に機能しているかを評価します。

このプロセスは、財務情報が正確に記録、集計、報告され、適切な基準と規則に従っていることを確認します。

 

実施例

例えば、内部監査人は会社の売上認識プロセスを詳細にレビューします。

それは商品が顧客に配送されたとき、またはサービスが完了したときに売上が適切に認識されているかどうかを確認するためです。

彼らはさらに、売上が適切にドキュメント化され、正確な額が財務報告に反映されているかを検証します。

内部統制監査の具体例:情報システム

プロセスの概要

情報システムの内部統制監査は、ITシステムとプロセスがビジネス目標をサポートし、情報の正確性とセキュリティを確保するための内部統制が適切に設計されており、効果的に機能しているかを評価します。

 

実施例

内部監査人は、会社が顧客データを安全に保管しているかどうかを確認するために、データセキュリティの慣行とプロセスをレビューします。

それには、アクセス制御、データ暗号化、セキュリティポリシーの順守などが含まれます。

また、システムが業務の継続性を確保するための適切なバックアップと復旧の手順を有しているかも確認します。

内部統制監査の課題と対策

内部統制監査の課題

内部統制監査は、企業の業務の幅広さと複雑さから、特定の課題に直面します。

主な課題は、内部統制の適切な理解、複雑なビジネスプロセスの分析、効果的な監査技術の適用などです。

 

対策と最善の実践

課題に対処するためには、監査法人はビジネスプロセスを適切に理解し、リスクベースのアプローチを採用し、最新の監査技術を活用する必要があります。

また、監査人員の教育と訓練も重要になってきます。

そのため、監査法人では年次別に全体研修が実施され、一定以上の品質を保つことができるようにしていることが多いです。

 

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内部監査の役割と重要性

内部監査の役割

内部監査は企業内の内部統制システムが適切に機能しているかを評価し、その結果を企業の経営陣に報告する役割を果たします。

彼らは企業内の異なる部署やプロセスの監査を実施し、不適切な業務の実施、不正行為、リスクの存在などを検出します。

 

内部監査の重要性

内部監査の存在は、企業の内部統制システムの効果性を確認し、不正行為のリスクを軽減する上で不可欠です。

内部監査はまた、企業の業績を向上させ、企業の信用と評判を維持する上でも重要な役割を果たします。

内部統制システムの改善と強化

内部統制システムの改善

内部統制システムの改善は企業の目的達成に向けた重要なステップです。

内部監査の結果や内部統制の評価を通じて、企業は弱点や欠陥を特定し、それを改善するための措置を講じます。

 

内部統制システムの強化

内部統制システムを強化するためには、適切な監督と教育、内部監査の役割の理解と強化、経営陣のコミットメントとリーダーシップなどが必要となります。

 

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内部統制監査の未来

テクノロジーの影響

テクノロジーは、監査プロセスの効率化と効果性の向上に大きく貢献しています。

例えば、データ分析ツールやAIは、監査プロセスを自動化し、より深い洞察を提供します。

 

まとめ

内部統制監査は、企業の経営の透明性と責任を高め、業績の改善を促す重要なプロセスです。

本記事では、内部統制監査の基本的な概念とその実施方法について、そして監査が日本の上場企業に及ぼす影響について詳しく説明しました。

また、財務報告プロセスと情報システムの内部統制についての具体的な監査の例も提供しました。

内部統制の評価と監査は、組織のガバナンスとリスク管理の根幹をなすものであり、業務の効率と有効性の確保、情報の正確性と信頼性、法令や規制へのコンプライアンスを通じて、組織の全体的なパフォーマンスと価値の向上に寄与します。

しかし、これは難易度の高い専門的なタスクであり、適切な経験と知識を持つプロフェッショナルによる適切な実施と評価が必要です。

また、内部統制は組織の規模や性質、業界によって大きく異なるため、それぞれの組織に最適な内部統制体系とその監査手法を見つけることが重要です。

本記事が内部統制監査についての理解を深める一助となれば幸いです。

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Biz人 編集部

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