ブックレビュー

【要約】FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

テーマ
データを基に世界を正しく見る習慣
監修
読書マニア

職場でのわかりあえない関係を改善する方法

人は思い込みをしてしまう生き物です。普段からあらゆることを「きっとこうだろう」と想像しながら、日常生活を送っています。
しかし、ビジネスの場において思い込みで行動をすると、時に良くない結果に結びついてしまいます。先入観にとらわれて誤った行動をし、注意された経験は誰もがあるのではないでしょうか。
正しい行動をするためには、正しい判断をするための根拠が必要です。それを教えてくれるのが今回紹介する本『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』です。

 

【著書情報】

タイトル FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
著者名  ハンス・ロスリング (著), オーラ・ロスリング (著), アンナ・ロスリング・ロンランド (著), 上杉 周作 (翻訳)
出版社 日経BP
ページ数 ‎400ページ
発売日 2019/1/11

 

【章立て】

第1章:分断本能 「世界は分断されている」という思い込み

第2章:ネガティブ本能 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み

第3章:直線本能 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み

第4章:恐怖本能 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み

第5章:過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み

第6章:パターン化本能 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み

第7章:宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み

第8章:単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み

第9章:犯人捜し本能 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み

第10章:焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み

第11章:ファクトフルネスを実践しよう

購入はこちら:Amazonリンク『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』

私たちは「ドラマチックすぎる世界の見方」をしている

この本の冒頭では、13問のクイズが出されます。
例えばこのようなものです。

【質問1】世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?

A 約2倍になった
B あまり変わっていない
C 半分になった

【質問2】世界の平均寿命は現在およそ何歳でしょう?

A 50歳
B 60歳
C 70歳

答えはどちらもCです。
これまでこの本の著者は、世界中のあらゆる人たちに同じようなクイズを出してきました。どの質問も正答率が低かったのですが、先ほど紹介した【質問1】に関しては、平均して7%の人しか正解していません。世界の人口のうち極度の貧困層の割合は、この20年で半減しているにもかかわらず、多くの人がその事実を知らないのです。クイズの回答者の中には、学者や医者など、一般的に頭が良いといわれる人たちもいました。
正答率7%という結果は、選択肢からランダムに答えを選んだ場合より低い数字です。人々が単純に教養不足なわけではなく、誰もが同じ勘違いをしていることを示しています。著者はその原因に、多くの人々がネガティブな先入観を持っているからだと述べています。
『世界は戦争や自然災害がたえず、貧富の差は広がり続け、各地で悲劇が増える一方。』
この本では人々に染みついたそのような考え方を「ドラマチックすぎる世界の見方」と呼んでいます。
メディアで取り扱われるのはネガティブな内容が多く、ポジティブな情報はピックアップされにくい。その方が人々の興味を引きやすいので、仕方のない部分はあります。しかし、受け手側が正しい知識を持って、本質を見る力を養うことは重要です。
この本では、思い込みを捨てて「データを用いて正しく世界を見る習慣をつける」方法が説かれています。

【分断本能】「世界は分断されている」という思い込み

この本で解説されている10の思い込みの中から、「分断本能」を紹介します。
人々は「世界は分断されている」という思い込みをしていると、著者は指摘します。これは、世界は2つに分断されている、対立する2つのグループが存在するという思い込みです。
例を挙げてみましょう。

・「富裕層」と「貧困層」
・「先進国」と「途上国」

このように人は誰しも、物事や人々を2つのグループに分けないと気がすまないものです。これも物事をデータではなく、ドラマチックな先入観によって判断しています。
自分の周りの人々で考えてみましょう。お金持ちというほどではないけれど、生活に困窮しているわけではない。
あたりまえですが、実際にはこのような人がとても多いことがわかります。むしろそういった中間層が大部分を占めていることでしょう。
人はドラマチックな本能のせいで、何事も二頂対立を求め、2つのグループに分けて考えたがります。良いか悪いか、正義か悪か、自国か他国か。世界を2つに分けるのは、シンプルで直感的かもしれません。分断した双方が対立していればなおドラマチックです。
ニュースやドキュメンタリー番組では、こうした分断本能に訴えかける内容が蔓延しています。2つの考え方、対立する2つのグループ、異なった2人。実際には分断がないのに分断があると思い込んだり、違いが無いのに違いがあると思い込んだり、対立がないのに対立があると思い込んでしまう。こうした思い込みは大幅に歪んだデータの解釈に結びつきます。
人々は極端な話に興味を持ちやすいし、記憶に残りやすいようにできています。分断本能を抑えるためには「極端な数字の比較」に注意しましょう。人や国のグループには必ず、最上位層と最下位層が存在します。2つの差が圧倒的なものであっても、多くの場合、大半の人や国はその中間の、上でも下でもないところにいます。データを見るのは大事ですが、メディアはその見せ方を工夫しています。正しく読み取り、本能を抑える習慣を身につけなければなりません。

10の思い込みを乗り越え、世界を正しく見る習慣を身につけよう

この本には紹介した分断本能を含め、10の思い込みについての注意と、それを抑える方法が記されています。

①分断本能
「世界は分断されている」という思い込み
②ネガティブ本能
「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
③直線本能
「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
④恐怖本能
危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
⑤過大視本能
「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
⑥パターン化本能
「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
⑦宿命本能
「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
⑧単純化本能
「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
⑨犯人捜し本能
「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
⑩焦り本能
「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み

どれもが無意識の間に私たちに刷り込まれた思い込みで、読めば大げさではなく、人生のあらゆる見え方、考え方が変わることでしょう。
この本は大量の資料を用いて、データを正しく使うことに徹底的に気を配っています。それを物語っているのは、巻末の脚注にある多くのデータと出展元の記載です。
著者はこの本を通して、私たちが思い込みをしている世界の正しい情報を教えてくれています。しかし、本当に伝えたいのはデータの数字ではなく、物事を正しく見る習慣を身につける必要があるということです。この本にはそのためのヒントが詰まっていて、先入観で誤った判断をせず、正確な情報を基に行動する手助けとなるでしょう。

購入はこちら:Amazonリンク『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』

Biz人 編集部Biz人 編集部

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