ブックレビュー

【要約】言葉で評価される時代「言葉にできる」は武器になる

テーマ
伝え方・考え方
監修
キジたん

皆さんは、人に何かを伝えようと思って言葉を尽くしたのに、実は「伝わっていなかった」「伝わりきっていなかった」という経験はないでしょうか?このような言葉の伝わり方の差は、一体どこで生まれるのでしょうか?

人気コピーライターでもある著者は、言葉の伝わり方の差を生んでいるのが「内なる言葉」というものの存在だと説明しています。この「内なる言葉」を鍛錬することで言葉に重みや深みが生まれ、伝えたいことが伝わるようになると言います。

本記事では、人に伝わる言葉を手に入れたい方におすすめの書籍、「「言葉にできる」は武器になる」をご紹介していきます。

 

【著書情報】

タイトル 「言葉にできる」は武器になる。
著者名 梅田 悟司
出版社 日本経済新聞出版社
ページ数 255ページ
発売日 2016/8/25

 

【章立て】

第1章:「内なる言葉」と向き合う

第2章:正しく考えを深める「思考サイクル」

第3章:プロが行う「言葉にするプロセス」

 

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伝わり方にはレベルがある

相手の胸に響くような、重みや深みのある「伝わる言葉」を生み出すことができる人がいる一方で、それがなかなかできずに悩む人が多いのはなぜでしょうか。

本書ではまず、人に伝えたいことが「伝わった」「伝わっていない」という伝わり方のレベルを細分化していくと、大きく分けて以下の4つの段階があると説明しています。

①不理解・誤解

②理解

③納得

④共感・共鳴

発した言葉が③納得や④共感・共鳴までいくことが理想ですが、なかなかそう簡単にはいきません。逆に言葉が①不理解・誤解や②理解のレベルまででとどまると、「どんなに言葉を尽くしても、相手の心に響いている気がしない」「周囲を巻き込もうと声を出しても、空回りして誰も動いてくれない」といったことになりがちです。

ではどうすれば、納得や共感・共鳴が得られる伝わり方にできるのでしょうか。

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「外に向かう言葉」と「内なる言葉」の違い

著者は、言葉には「外に向かう言葉」と「内なる言葉」の2種類があり、多くの人が「外に向かう言葉」しか意識できていないことが大きな問題だと説明しています。「内なる言葉」とは物事を考えたり感じたりする時に、無意識に頭の中で発している言葉のことです。

言葉を生み出す過程には、①内なる言葉で意見を育てる、②外に向かう言葉に変換する、という2つの段階が存在し、言葉を磨きたければ、まずは意見としての「内なる言葉」を育てることが先決だと説明しています。

多くの人がこの「内なる言葉」をうまく意識できていないので、その結果、そもそもの意見を育てることができていないのだと指摘しています。

「内なる言葉」と向き合う重要性

「内なる言葉」を意識するということはつまり、「考えたつもりから脱却する」ことだと著者は言います。うまく言葉にできないということは「言葉にできるほどには、考えられていない」ことと同じで、どんなに熟考できていると思っていても、言葉にできなければ相手には何も伝わりません。

「内なる言葉」は私たちの視点そのものです。「内なる言葉」と向き合うということは、ある出来事が起きたときに、自分がどのように物事を捉え、考えが進んでいくのかを、自分自身が把握することです。

そしてそのうえで、「内なる言葉」に幅と奥行きを持たせていくことが、よく考えること、意見を育てることにつながってくるのです。

「内なる言葉」を育てる方法

では、具体的にはどのようにして「内なる言葉」に幅と奥行きを持たせて、自分の意見を育てていけばよいのでしょうか。

本書では、「正しく考えを深めるための思考サイクル」をインストールすることが有効だと紹介しています。ここでいう思考サイクルとは、「内なる言葉を一旦頭の外に出す」→「アウトプットした思考の断片を材料にして考えを拡張する」→「科学反応を起こす」の3段階を回していくことであり、その具体的な手順として以下の7つの手順が紹介されています。

  • 頭にあることを書き出す(アウトプット)
  • 「T字型思考法」で考えを進める(連想と深化)
  • 同じ仲間を分類する(グルーピング)
  • 足りない箇所に気づき、埋める(視点の拡張)
  • 時間を置いて、きちんと寝かせる(客観性の確保)
  • 真逆を考える(逆転の発想)
  • 違う人の視点から考える(複眼思考)

次項では、考えを深めるうえで特にポイントとなる「T字型思考法」について紹介します。

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思考の解像度を上げる「T字型思考法」の活用

頭にある「内なる言葉」を一旦外にアウトプットしたあと、自分の考えをさらに深めていく方法が「T字型思考法」です。具体的な方法は、アウトプットした「内なる言葉」を軸に、「なぜ?」「それで?」「本当に?」を繰り返すといういたってシンプルなものです。

この3つの問いかけには、それぞれ違った方向に思考を深める効果があります。「なぜ?」は考えを掘り下げる効果、「それで?」は考えを進める効果、「本当に?」は考えを戻す効果があります。「T字型」というのも、「T」の形に思考が進むというイメージを表しています。

この「T字型思考法」を繰り返し「内なる言葉」を左右に広げたり、深堀りしたりすることで、自分の思考の解像度を上げていくことができるようになります。

人を動かす言葉を生み出す方法

本書では最後に、「T字型思考法」などで磨かれた「内なる言葉」を「外に向けた言葉」にする時のポイントについて紹介しています。人を動かすような言葉を生み出そうとするうえで重要なことは、「内なる言葉」として捉えた思いを「いかにさらけ出せるか」だと言います。著者はそのための戦略として「言葉の「型」を知ること」「言葉を生み出すときの「心構え」を持つこと」の2つを挙げています。

本書の最終章では、比喩や反復など国語の教科書で習ったような表現の型をうまく使うことや、たった一人の特定の誰かを思い浮かべて心に響くように伝えることなど、プロのコピーライターでもある著者が言葉を生み出すときに気を付けているという具体的なヒントの数々が紹介されています。

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まとめ: 言葉の力を最大限に活用しよう

皆さんの中にも、思いを言葉にするのが苦手、人に何かに伝えるのが難しい、というもどかしさを感じている人は沢山いると思います。

しかし、言葉を伝えることがうまくいかないのは、決して対人能力やコミュニケーション能力が低いからというわけではなさそうです。

今回ご紹介した「「言葉にできる」は武器になる」の中で、著者は、「内なる言葉で思考を深め、外に向かう言葉に変換する」というプロセスを体得すれば、一生モノの「言葉にできる力」を手にすることができるようになると断言しています。

言葉にすることに苦手意識をもっている方は、ぜひ本書を読んで参考にしてみてください。

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Biz人 編集部

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