仕事で必要で、または転職や就職で良い条件を得るきっかけにしたいと考えて、簿記の勉強を決意する方も多いでしょう。今回は、初めて簿記を学習される皆さんに向けての簿記3級の勉強法と取得することのメリットを、合格者の方のお話を混じえて、お伝えさせて頂きたいと思います。
勉強法・難易度は?簿記の合格で世界は広がる?
- テーマ
- 日商簿記3級、日商簿記2級
- 執筆
- 日商簿記2級合格者
簿記で合格する勉強法
簿記合格への道。難易度が高まるテーマは?
ビジネスを理解するための登竜門である簿記。経理部であれば簿記3級・2級の理解は当然求められますし、経営企画部でも理解して置かなければ経営について語れません。エンジニアでも、簿記の考え方を理解していなければいつまで立っても経営に関与できる技術者にはなれないことでしょう。外資系コンサルのEYストラテジー・アンド・コンサルティングやデロイト・トーマツ・コンサルティングでも、新卒入社者には入社前に簿記2級に合格することを課してします。
簿記3級を初めて学習してみようと思った時、多くの人はインターネット等で、難易度、学習期間や学習方法を検索するかと思います。ブログやサイトには、「簡単、学習期間2ヶ月程度、問題集を数回繰り返せば十分」と言ったような、いかにも簡単な検定であるかのようなイメージで掲載されています。そして、いざ学習をスタートしてみると、勘定科目などの暗記する言葉も多く、仕分けも細かくて、ややこしくて、引っかかってしまう問題にたくさん出くわすことになるかと思います。簡単なはずの勉強が、難しく感じたり、学習期間2ヶ月で終わらないと感じたり自信を無くして挫折してしまう人が多いのではないでしょうか。検定でも実際は6割程度不合格になる試験です。
簿記3級の仕分けは、おそらく何かの講座などを受講すれば、大体の感覚は掴めるものです。仕分けは慣れてくると楽しくなってくる人も多いのではないでしょうか。
しかし、難易度が高まり初学者が挫折するタイミングは、途中から始まる試算表作成や貸借対照表、損益計算書のパートです。これまで習ってきた仕分けをコラボさせて、素早く正確にアウトプットしていかなければなりません。しかも、たった1問のミス、あるいは数字の書き間違え、電卓の押し間違えで、最後の貸借合計は一致しなくなります。最初の頃は仕分けに時間がかかり、試算表を作成するのに1時間程かかってしまう人もいます。そんなに多くのエネルギーと時間をかけて丁寧に仕上げた努力の結晶である試算表が、最後の答え合わせで間違っていると心がめげてきます。これを克服しなければ行けないのが、簿記3級・2級の難しさです。
簿記の合格者が実践した、勉強法とは?
簿記学習は3級であっても、得意な方を除いて、結構大変だと思います。筆者の場合は社会人をしながらの勉強でしたが、生活リズムを変えて勉強にとりくみました。冒頭の簡単な検定だというイメージは捨てたほうがいいです。それを踏まえて、反復学習、しつこいぐらいの訓練期間を覚悟する必要があります。最終的に、仕分けを何の意識もせずスラスラと出てくるぐらいまで定着させないと検定当日は時間が間に合いません。だから、2ヶ月とかの期限設定より、自分自身が「仕分けを余裕だと感じられる状態」まで学習を継続することがおすすめです。
しかし、その感覚が完成すれば、過去問を解いて、時間配分を計算し、当日の対策するだけです。ここまでくると噂通り、簡単に感じてきます。実際の検定では、貸借合計が配点になる事はないので、検定当日は空欄のままでよかったり、試算表等大問の配点になるだろう箇所も分かってきます。その部分を注意すれば点数が取れると気がつけるようになるでしょう。
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