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「新分野展開」枠で事業再構築補助金申請|事業計画書のポイントとは?

テーマ
「新分野展開」枠での事業再構築補助金申請
監修
総合コンサルタント

事業再構築補助金は、「新分野展開」する中小企業(もしくは中堅企業)も対象です。新分野展開は新たな商品・サービスを打ち出して市場に進出することが求められるため、事業の優位性を証明できるよう、あらかじめ商品詳細やマーケティング分析をしておく必要があります。

今回は、新分野展開枠で事業再構築補助金を申請するひとに向け、事業計画書に盛り込んでおきたいポイントを解説します。

事業再構築補助金制度における「新分野展開」の条件4点

「新分野展開」と一口に表しても、実は細かく条件が求められています。

  1. 主な事業もしくは業種を変更しないこと
  2. 新たな製品・サービスを提供すること
  3. 新たな市場に進出すること
  4. 新たな製品の売上高が3~5年後に総売上高の10%以上となっていること

つまり、今までと同じ業界・業種の範囲内で新たな商品・サービスを1から提供していくことが求められます。かといって、事業投資や設備投資が要らず、簡単にすぐ作れる単価の安い商品を1つだけ作って販売するだけでは項目4を満たせませんので、ある程度社運をかけて取り組んでいく必要があるでしょう。

「新分野展開」の事業計画書に盛り込むべきポイント5つ

事業計画書には、どの事業再構築にも共通して必要な項目と、「新分野展開」だからこそ必要な項目とを盛り込む必要があります。1つずつ確認していきましょう。

対象外商品・サービスに当たらないこと

「新分野展開」に当たらないと判断される商品・サービスがあるため、それに当たらないものであると証明する必要があります。

  • 過去に提供していた商品サービスの作り直し
  • 競合他社の多くが既に提供している商品サービス
  • 商品のラインナップの増やしただけのもの
  • 既存の商品サービスに容易な改変を加えただけのもの
  • 既存の商品サービスを組み合わせるだけのもの

上記は全て対象外になりますので、注意しましょう。つまり、作り直すだけ・組み直すだけ・少し変えるだけ・他社のアイディアに似せるだけ、というものは採択されません。事業計画書を出しても審査落ちしてしまいますので、オリジナリティのあるものを1から生産する必要があります。

投資の必要性

どんなに優れたアイディアでも、投資の必要がなく自社資産だけで賄えてしまう場合、再構築補助金の申請が下りないことがあります。

あくまでも投資が必要であり、その資金を自社だけでは賄えない(もしくは金融機関等から資金調達をする必要がある)と証明できるようにするのがポイントです。

事業再構築補助金制度の意図に沿った形で運用できれば、その分申請のハードルも下がります。

商品サービスのステータス

商品であれば、強度・耐久性・耐熱性・加工性・精度・速度・容量・重さなどのステータスを細かく記録しておきましょう。一見製造・販売に関係なさそうに見えるものでも、競合商品との比較を出すことで優位性を証明しやすくなり、審査合格に一歩近づきます。

サービスであれば、対応する人員・時間・エリア・付加価値などを全て記載します。

基本的な情報が全て網羅されている事業計画書になるよう、表やリストを使って記載するのがよいでしょう。

競合分析

同業他社や競合する商品サービスと比較していかに優位性があるかを証明するため、必ず入れ込みたい要素です。

自社の優れたポイントをアピールするだけでなく、リスクやデメリットとなるポイントもしっかり記入し、それをカバーするための方策も入れておきましょう。リスクやデメリットを回避するために事業再構築補助金を使って改善するのも問題ありませんし、またはターゲットとなるユーザー層を変えることでデメリットをメリットに変える方法もあります。

リスクをそのままにせず、どう対処していこうと考えているのかまで盛り込めれば、説得力が増すでしょう。

収益グラフ

投資のためにいくら必要なのか、いつから初めてどれくらい経つ頃に赤字回収ができるのか、いつ黒字転換して事業再構築補助金で定められた基準をクリアできるのか、時系列ごとに収益グラフを出してアピールします。

実施体制やスケジュールなど具体的な案を添えることで、より有効度の高い計画だと示すことができます。

一方、マーケティングや事業計画にまつわる専門的な知識が求められることもありますので、コンサルティング会社や認定経営革新等支援機関を頼りながら事業計画書を策定していくのもおすすめです。

まとめ

事業再構築補助金における「新分野展開」枠は、既存の商品サービスとの差や収益性をいかに証明するかで審査の可否が分かれます。

時間をかけてでも事業計画書を練り上げ、補助金を活用して新しい商品サービスを提供することこそが生き残り戦略であると理解してもらえるよう、工夫していきましょう。

コンサルティング会社や認定経営革新等支援機関を頼るのも1つの手段です。特に認定経営革新等支援機関は事業計画書策定に欠かせない存在として定められていますから、早い段階でパートナーをみつけておくのが得策です。

Biz人 編集部

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