次に、PEST分析の具体的なやり方や、フレームワークを用いるときの注意点をチェックしていきましょう。
P・E・S・Tそれぞれの項目に、どのような要素が分類されるのかをまずは解説します。
Politics(政治的要因)
政治的要因とは、市場のルール自体を変化させる要因です。具体的には、以下のような事柄が政治的要因に該当します。
法律・条例の施行・改正
規制の緩和・強化
税制の変更
裁判制度・判例
国内外の政治動向・政権交代
公的な補助・助成
例えば、酒税の税率変更によって、飲料メーカーに影響が及ぶようなケースがありますね。他にも、海外に事業拠点を持つ企業にとっては、外交上の衝突や現地の政変は撤退判断にもつながりかねない大きなリスクと言えます。
Economy(経済的要因)
経済的要因とは、売上や費用などの価格関連に影響を与える要因です。具体的には、以下のような事柄が経済的要因に該当します。
景気の動向
消費の動向
株価・為替の動向
金利の変動
原油価格の変動
物価のインフレ・デフレ
雇用・賃金の動向
経済成長率
例えば、輸入・輸出ビジネスを行っている企業にとっては、為替の変動は重要なファクターです。
Society(社会的要因)
社会的要因とは、消費者のライフスタイルの変化に関連する要因です。具体的には、以下のような事柄が社会的要因に該当します。
人口・人口密度・人口構成
世帯数・世帯構成
流行や世論の動向
宗教
教育
言語
社会問題
例えば、少子高齢化は福祉・医療関連の事業においては機会となる可能性が大きいものの、一方で教育・子育て関連のビジネスにおいては、従来の市場の縮小を意味します。
Technology(技術的要因)
技術的要因とは、開発や生産のプロセスに変革をもたらす要因です。具体的には、以下のような事柄が技術的要因に該当します。
技術開発
イノベーション
特許権の取得・終了
新技術の普及
研究開発投資の動向
例えば、IoT (Internet of Things モノのインターネット)技術の発達によって、近年では「スマート家電」が身近になりました。他にも、携帯電話・スマートフォンが、小型で高品質なカメラ機能を具備できるようになったため、急速にデジタルカメラに取って代わったことも身近でイメージしやすい例でしょう。
続いては、PEST分析のやり方における注意点4つを解説します。