儲けのカラクリ

会社や個人事業主はどのように融資を受ければ良いの?銀行との付き合い方は?失敗例や成功例を紹介!

テーマ
銀行との付き合い方
監修
企業経営者



会社と銀行は切っても切れない関係といえます。会社が事業を行うにはお金が必要で、銀行は会社を支援する使命を負っています。しかし、会社と銀行の関係が良好な一方で、現実はうまく行っていない会社も結構あります。

銀行と上手く付き合えないとは会社でしょうか。銀行は公共性の高い会社ですが、一方ではお堅い組織というイメージがあります。また、過去にはバブル期の不良資産問題・貸し渋りといった悪い印象もあり、付き合いがうまくいかない時、どちらが悪いとは簡単に言い切れません。しかし、銀行との付き合いに失敗している会社は、いくつかの共通点があります。

銀行との付き合いに失敗する例として、一般的に、「お金を貸してくれない」「融資の金利が高い」「担保が足りない」等と思われがちですが、これらはそうなってしまう背景があるのです。

会社は世の中から集めたお金で事業を行い、利益の中から納税して大きくなっていきます。銀行はそれを融資で支援することが使命です。この関係が崩れると銀行の付き合いに失敗します。具体的には経営者の公私の区別が曖昧だったり、会社を良くする意志が感じられない気持が無く、融資したお金が活かされていないケースです。

公私の区別が曖昧な会社

会社のお金は自分の金ではありません。これはバランスシート上でも説明でき、周りから集めたお金で事業を行うのです。周りから集めたお金は負債・資本の2種類があります。

①:会社を設立するとき、知り合いなどがお金を出して、株主になります。これが資本金です。

②:もう一つの方法は、銀行等からお金を借りることです。これが負債です。①とあわせてバランスシートの右側ができました。

事業を開始してから、掛取引で支払いを待ってもらうことが出来れば、買掛金として計上します。これはお金を借りていることと同じなので負債になります

③:会社は①②で集まったお金で、会社の利益を生むための資産に投資します。具体的には売る商品といった流動資産や、機械設備などの固定資産です。投資した資産はバランスシートの左側(借方)に記載します。これでバランスシートの右側ができました。

事業を開始してから、掛取引で売上代金を待ってあげることが出来れば、売掛金として計上します。これは支払を受ける権利なので資産になります

これまで見てきたように、会社のお金は反時計回りになっています。

①②の負債・資本で集めたお金を③の資産に投資します。

そして③の資産をフル回転させて売上をあげます。

会社の会計期間は1年です。決算を経て利益から税金を払い、残った利益を①資本の部に組み入れます。

翌年度になって、負債と昨年度の利益が組み込まれた資本で、また資産に投資し、売上をあげます。

その繰り返して、だんだん会社は大きくなっていくのです。

会社が売上をあげられるかどうかは、①②で周りから集めたお金を③で適切な資産に投資できているかかかっています。会社は①②でお金を出してくれた人に対し責任を負っています。お金を出してくれた人を「利害関係者」と言います。

③資産の部には、流動資産であれば支払の現金、得意先に対する売掛金です。固定資産は効率的に売上を上げるための設備が含まれます。会社を応援する人から集めたお金で投資した資産で事業に使うものばかりの筈です。しかし、残念ながらそうでない会社が一定数存在します。このような会社は銀行の付き合が上手くいきません。

特に多いのは、次の通りです。株主のお金や銀行の融資を不適切な資産に投資している会社です。

「事業との関連性がない資産が紛れ込んでいる」

「実質は個人の資産が計上され丼勘定になっている」

「情報開示に誠意がない」

事業との関連性がない資産の例として次のようなものがあります。

  • 短期貸付金…役員個人に貸付金がある
  • 固定資産…役員個人が使用する、営業用とは考えにくい車。あるいは役員が住んでいる常軌を逸した高級マンションなど
  • 投資有価証券…役員と交友関係のある会社の株式

このような資産は会社と個人の線引きが不明瞭です。更にまずいのは会社の利益に結びつかない資産に投資されていることです。このような資産が計上されている決算書は、取引銀行から何らかの指摘があり付き合いがギクシャクする原因になります。最近は会社の独立性・公共性・コンプライアンスが一層求められています。たとえ事業に使う資産であっても、公序良俗に反する資産や、環境に悪い機械設備なども厳しい目が向けられます。当座貸越や運転資金の融資は資金使途が自由です。投機的なものに使われる恐れもあり、実際に会社のために借入した運転資金を使って、投資有価証券や固定資産に流れる場合も起こっています。

前述の通り、会社はお金を出してくれた人のお陰で成り立っています。お金を出してもらった以上、どのように投資したか情報提供が必要です。銀行でお金を借りると決算書を毎年提出するよう依頼されます。銀行は1年だけで決算書を見ることはありません。集めたお金で何に投資して利益を稼いでいるのか2~3年分を横に並べて、毎年毎年融資がゼロになるまで、勘定科目の残高推移をチェックします。

真っ当な資産なら正々堂々と情報開示できるはずです。しかし、小出しの情報開示や、お金を借りる時だけ決算書を提出して、借りてしまうと一切提出しない会社もあります。このような情報開示をしない会社は銀行の付き合いに失敗します。企業は利害関係者に対し、積極的に開示に応じなければなりません。過去は「利益さえあげていればいい」部分もあったのですが、今は、どのようにお金を集めて、事業は何を行ったか、生産物の背景は何か、どのようにして利益を生み出したまで世の中の関心が高い時代になっています。企業はその関心に応えなければなりません。

会社を良くする気持ちが無い会社

会社の業績は良い時もあれば悪い時もあります。業績が悪いまま立ち直そうとする気概すらない会社はいずれ銀行から見放されます。

銀行は融資先が連続で赤字が続くようでしたら、管理下に置かなければなりません。これを「債務者区分を下げる」といい、リスクが高い企業として金利を引き上げなければなりません。好景気の時は良くても、苦しい時にリスクを取るのが銀行です。

苦しい時でも利益を追求し、お金を出してくれた人たちのために計画・ビジョンを示すのが経営者です。チャレンジを怠り、赤字を垂れ流し、「延滞しなければいい」と改善の道筋を示さないままでは事態が悪化し赤字補填やリスケが必要になっても、銀行は直ぐに対応できず、更に関係が悪くなります。

メインバンクが入れ替わる会社

一行取引は銀行同士の競争が生まれませんので、あまりお勧めしません。しかしメインバンクの付き合いは持っておくべきです。例えばメインバンクとして売上げを入金しておくと銀行も事業の様子が見えて安心です。実績が蓄積され、馴染みの付き合いがながく続きます。

ところが融資の金利が安い銀行ばかりフラフラ移り変わってメインバンクを持っていない会社があります。このような会社は、損得勘定だけで経営判断をしている会社と判断され、いつまでたっても一流の会社とは見做されません。

最近の銀行はビジネスマッチング、M&A、各種コンサルティングのメニューが驚くほど充実しています。これらのメニューはしっかり費用を請求しますがその分本腰を入れています。このような情報は銀行の付き合いが成功している会社に入ってきます。銀行の付き合いは、金利を越えた商売の情報が入るような人間同士の付き合いができることが成功なのです。

Biz人 編集部

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