人事/総務

早期離職を防ぎたい!人材の流出回避のためすべきこと

テーマ
人材の流出回避のためすべきこと
監修
人事本部長補佐

会社にとって良い人材は大切な財産です。
会社を支え、盛り立ててくれるような人材を探し、会社はこれぞという応募者を採用します。しかし、中には入社してからまだまもない時期に離職してしまう人も。
このような早期離職を防ぐためにはどうしたら良いのでしょうか。今回は早期離職がもたらすデメリットや発生する原因などとともに、予防策を紹介します。

 

早期離職が会社にもたらすデメリット

まずは、早期離職が会社にもたらす主なデメリットを紹介します。

採用コストが無駄になる

大きなデメリットとして挙げられるのは、採用活動に費やしたコストが無駄になってしまうことです。人材の採用は一朝一夕でできることではありません。求人を掲載したり、採用に関する専用ページを作成したり、人材募集をしている周知から始まり、応募者の対応、書類選考、面接日程調整、面接実施、関係部署とのやりとりなど、さまざまなステップを踏んでようやく採用に繋がります。求人掲載は期間や掲載内容によって数万から数十万の掲載料も発生します。
時間も手間もお金も必要な、大きなコストのかかるものなのです。
しかし、そうして採用した人材が早期離職してしまえば、それまでの苦労は全て水の泡。また1から採用活動を行わなければなりません。

会社にネガティブなイメージがつく

早期離職が続けば求人の掲載期間も長くなります。
いつも求人が出されている会社は求職者から
「この会社は人がなかなか集まらない特別な理由があるのではないか」とネガティブなイメージをもたれ、応募が減る可能性もあるでしょう。

業務が安定しない

早期離職によって現場に人材が定着しない状態に陥り、業務が安定しないことやもデメリットと言えるでしょう。
求人募集するということは、人手が足りていない業務があるということ。せっかく新入社員が配属されても、すぐに離職してしまうパターンが繰り返されると、元々いる社員はいつまでたっても人員配置が改善されないことにいら立ちを感じるようになります。
また、新人が配属されても「どうせまたすぐにいなくなるのだろう」という諦めから、「仕事を任せても意味がない」と考え、新人教育がおろそかになる可能性もあります。その結果、会社を支えてくれている勤続の長い社員までもが離れていく事態にもなりかねません。

早期離職が発生する原因

それでは、なぜ早期離職が起こるのでしょうか。
その原因を見ていきましょう。

入社後のギャップ

まず考えられるのは、入社後に新入社員が感じるギャップです。入社前にイメージしていた会社の雰囲気や業務内容と、実際のそれが大きくかけ離れていることにショックを受け、
勤務のモチベーションが保てなくなり、早期に離職してしまうというパターンがあります。

仕事についていけない

仕事量が多かったり難しかったり、仕事になかなかついていけないことで会社を辞めたいと思う人もいるでしょう。

コミュニケーションをうまくとれない

また、ほかの社員や上司などとうまくコミュニケションがとれず、孤立感を感じている場合も早期離職の可能性は高まります。
対人関係の悩みは業界や職種を問わず、どこの職場でもありがちですが、新しく職場の人間関係を構築しなければならない新入社員にとっては特に大きなストレスになりやすいものです。

早期離職を防ぐための対策とポイント

早期離職を防ぐためには、早期離職の原因を解決するような対策が必要です。
具体的な対策やポイントを紹介します。

求職者に会社の情報をしっかり発信する

まず行いたい対策は、求人の応募者向けに会社の情報をしっかり発信することです。

事業概要や勤務条件などテンプレートのような情報を機械的に羅列するではなく、社内の環境や雰囲気、業務の内容などをできる限り実際と近いイメージで伝えるような工夫をしましょう。
例えば求人記事やリクルート用のページに社内の写真などを差し込めば、会社の雰囲気を掴む材料になるかもしれません。

また、求人者向けの採用ピッチ資料を作るのも良いでしょう。採用ピッチ資料は、求人者が求めるような情報をまとめた企業の資料です。応募を検討している人の疑問をクリアにするよう、情報を見やすく細やかに記載することが大切です。資料の中には企業のこれからの課題など、少しネガティブな内容も盛り込まれています。ネガティブな課題を示すのは、一見採用活動にはマイナスと思われるかもしれません。
しかし、入社してから初めて企業の課題に直面したのでは、新入社員は予想だにしていなかったギャップに悩み早期離職する可能性もあります。会社をとりまく課題を理解し、自分こそがその課題を解決していきたいと考える人材が募ってくれれば、会社にとって非常に有益なことです。

入社前・後のフォローを手厚くする

また、入社前・後のフォローをしっかりすることも大切です。
採用を決めたからといって安心し、入社までの間ずっと内定者を放っておくと、本人は入社してからの仕事に不安を募らせていく可能性があります。そのまま入社すると、入社後にも不安な気持ちが残った状態になり働くモチベーションが下がってしまうかもしれません。
内定を出した後もこまめに連絡とりながら、内定者の疑問や不安をその都度解消できるよう、細やかにフォローすることが必要です。

新しく入った職場は、業務も環境も多くのことが今までとは違うはずです。そのような状態ですぐにほかの社員と同じように扱うと、仕事に慣れないことや仕事をスムーズに進められないことがプレッシャーになる可能性があります。

対策としては、新入社員向けの研修を実施したり、メンターを設定したり、新入社員が新しい環境でも安心して業務に励めるような環境をつくり、しっかりフォローしてあげることが重要です。
また、ヒアリングやカウンセリングなど、自分の抱えている悩みを誰かに相談できる仕組みをつくることも効果的でしょう。フォローが不足すると、新入社員の不安は大きくなり、それはそのまま会社への不信・不満に繋がります。

まとめ

良い人材に長く働いてもらうためには、社員が安心して思いっきり働けるような会社としてのバックアップが必要です。
ぜひ社内の体制を1度見直し、早期離職を減らすためできることを検討してみてください。

Biz人 編集部

「明日の仕事の役に立つ情報を、一人でも多くの人に提供したい」そんな思いで運営しています。ご自身のご知見・ご経験を世の中の役に立たせたいとお考えの仲間を募集しております。

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