売却のタイミングについては、デッドクロスが来るタイミングとなります。
例えば、木造築20年の一棟アパートを購入した場合には、約10年ほどで、鉄筋コンクリート造で築14年の場合には、約5年ほどでデッドクロスが来ることが考えられます。基本的に、ベテランの不動産投資家は、物件の資料をみたときに、大体のデッドクロスのタイミングを計算して、いくらで買って何年後に売却すれば利益が最大化になるかを考えます。
ちなみに、現金で購入した場合はローンそのものがないのでデッドクロスは生じません。あくまでもローンを利用したときに、デッドクロスは起こる現象であり、全部を自己資金で賄うのではなく、物件購入価格の半分を自己資金で賄えばデッドクロスの影響はかなり少なくなるので、気にしなくて良くなります。
逆に、オーバーローンや1,2割の自己資金で不動産投資を行うのであれば、デッドクロスの影響を考慮して購入をしないと、税金を多く払うことになり、キャッシュフローが悪化します。それでは、不動産投資を成功させるために、デッドクロスの影響を回避した売却のタイミングとはどのようなタイミングかを説明していきます。
まずは、固定金利で借りていた場合は、固定金利の期間とデッドクロスが来るまでの期間を同じに固定するようにしましょう。こうすることで、期間中に繰り上げ返済した場合の「繰り上げ返済違約金」を払うことを避けることができます。
もうひとつは、個人事業主で不動産投資をしている場合は、購入後5年以降に売却のタイミングが来ます。個人の場合、長期保有と短期保有で税額が2倍違うからです。
具体的に5年の短期保有の場合、不動産の譲渡益所得は40%なのに対して、5年超の保有の場合、20%と設定されており、5年以内の短期保有で売却してしまった場合、譲渡益に掛かる税金が高くなります。ちなみに、個人の不動産売却に対する譲渡益は個人の所得と一体の総合課税ではなく、株式投資などと同じ分離課税方式になっています。
ですので、仮に5年以内にデッドクロスが来そうな優良物件がある場合、デッドクロスの影響を回避するために、繰り上げ返済をして残債を解消したり、なるべく減らしておくなどの戦略が必要となります。減価償却は構造によって異なっており、新築だと木造は22年、鉄骨造は34年、鉄筋コンクリート造は47年と決まっています。この減価償却が終了するまでの期間を、法定耐用年数と言いますが、既に経過した分を伸ばすことはできません。
なので、中古物件購入の際には、残りどれくらいで物件の減価償却が終わるかを逆算して、デッドクロスを避けるようにしていかないといけません。
ここで重要なことをもう一つお話しておきたいと思います。
既に法定耐用年数を過ぎた物件については、一切、減価償却ができないのかといえば、違います。法定耐用年数の20%の年数で減価償却ができるルールが存在しますので、例えば築25年の木造アパートの場合であれば、法定耐用年数は木造だと22年なので、その年数に0.2を掛けることで、4.4年と計算できます。この時、小数点以下は切り捨てになりますので、減価償却は、あと4年できる計算となります。
次は、大規模修繕時期の到来の前に売る事です。
だいたい築15年ほどで屋根の防水や外壁塗装、給湯器などの水回り関係の劣化が著しくなり、大規模修繕を行う必要がでてきます。一通り大規模修繕が終わった後なら、問題はありませんが、築15年前後の建物は注意しなければなりません。
最後は、法定耐用年数が残っているうちに売却することが必要となります。
これは、基本的に買う側の話になってしまいますが、古い物件の場合はあまり融資がつきづらいという問題があります。
もちろん、耐用年数の考え方は銀行独自の基準がありますので、一概には駄目とまでは言いませんが、できれば法定耐用年数が残っているうちに売却しておくと、買い手が付きやすく、売却がしやすくなります。不動産投資家は、できればローンを長く組んで月々の支払いを安くして利益を出したいと考えるので、耐用年数があまり残ってなく、長くローンを組むことができない物件を嫌厭します。
ですので、銀行もせいぜい残りの耐用年数の+10年ぐらいしかローンを組ませてくれないので、できるだけ耐用年数が残っているうちに売却をするようにしましょう。