経理/簿記試験

所得税の基礎―所得税に関する基本知識を解説

テーマ
所得税の基礎
執筆
公認会計士



所得税は、日本に住んでいる個人が得た所得に対して課される税金です。

年間所得が一定額を超えると、その超過分に対して税金が課されます。

また、所得の種類によっても課税の仕方が異なるため、それぞれの所得に応じた税率や控除などについて理解することが重要です。

本記事では、その基本的な概念や計算方法を詳しく解説します。

所得税の概念―所得税とは何か、課税対象となる所得とは

所得税は、日本国内で得られた所得全般を対象に課される税金で、その金額は所得の額に応じて変動します。

所得税法によれば、以下の7つの種類の所得があります。

・給与所得

・事業所得

・不動産所得

・株式等の譲渡所得

・利子所得

・配当所得

・その他の所得

これらの所得を全て合計したものが、総所得金額となります。

そして、この総所得金額から各種の控除を引いた金額が課税所得となり、これに対して所得税が課されます。



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所得の計算―所得税の計算方法と手続き

所得税の計算には、総所得金額から所得控除を引いた後の課税所得に対して、所得税率を適用します。

所得税率は累進課税となっており、所得が増えるほど税率も高くなります。

所得税の計算例を見てみましょう。

年間所得が4,000,000円の場合、以下のように計算されます。

 

所得金額:4,000,000円

所得控除:1,480,000円 (基本控除)

課税所得:2,520,000円 (所得金額 – 所得控除)

所得税率:5% (課税所得が1,950,000円超3,300,000円以下の場合)

所得税:126,000円 (課税所得 × 所得税率)

このように所得税は、年間の所得から所得控除を引いた課税所得に対して税率を適用して計算されます。

所得控除―所得税を軽減するための控除の種類と計算方法

所得控除は、所得税の計算において総所得金額から引かれる金額のことを指します。所得控除には以下のような種類があります。

  • 基本控除:全ての納税者に対して一律に認められる控除で、2023年現在では1,480,000円です。
  • 配偶者控除:配偶者がいて一定の所得以下である場合に認められる控除です。
  • 扶養控除:扶養する親族がいる場合に認められる控除です。
  • 社会保険料控除:社会保険に加入している場合、その保険料が控除対象となります。
  • 住民税の控除:所得税の計算上、前年度の住民税額が控除されます。

これらの控除を所得から引くことで課税所得が算出され、その課税所得に対して税率を適用することで所得税額が計算されます。

 

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配偶者特別控除とその適用条件―所得税の配偶者控除に関する詳細と条件

配偶者特別控除は、配偶者の年収が一定の金額以下の場合に所得税を軽減するための制度です。

具体的には、配偶者の年収が103万円以下である場合、税額から38万円が控除されます。

一方、配偶者の年収が103万円を超えて130万円以下である場合、その控除額は逓減します。

控除額の計算方法は次の通りです。

配偶者の年収が103万円以下の場合:38万円

配偶者の年収が103万円超~130万円以下の場合:38万円 – (配偶者の所得 – 103万円) × 1/2

例えば、配偶者の年収が110万円の場合、控除額は38万円 – (110万円 – 103万円) ×1/2 = 35.5万円となります。この控除額を使って所得税を計算します。

 

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源泉徴収とその仕組み―給与や報酬から差し引かれる源泉徴収の仕組みと手続き

源泉徴収とは、所得が発生した時点で所得者から税金を徴収し、税務署に納付する制度です。

主に給与所得や利子所得、配当所得などに適用されます。

源泉徴収は、給与等の支払者が給与等を支払う際に所得税相当額を所得者から徴収し、税務署に納付するものです。

この源泉徴収によって所得税が納付されるため、所得者は通常、年末調整や確定申告を行うことにより、年間の所得税が清算されます。

具体的な源泉徴収の計算方法は以下の通りです。

  1. 所得金額から控除(基礎控除等)を引く
  2. その結果に所得税率をかける
  3. 計算した税額から低所得者控除等を引いたものが源泉徴収税額

累進課税制度―所得に応じて税率が段階的に上昇する累進課税の仕組

所得税の税率は所得額によって変動し、所得が増えるほど税率も増える累進課税制度が採用されています。

2023年現在の税率は以下の通りです。

・所得1,950,000円以下:5%

・所得1,950,000円超3,300,000円以下:10%

・所得3,300,000円超6,950,000円以下:20%

・所得6,950,000円超9,000,000円以下:23%

・所得9,000,000円超18,000,000円以下:33%

・所得18,000,000円超:40%

これらの税率は、所得の範囲によって適用されます。

 

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所得税の申告と納付―所得税の申告書作成と税金の支払い手続き

所得税は原則として、毎年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、その結果算出された税額を納付します。

しかし、給与所得だけの場合や一定の条件を満たす場合は、年末調整で所得税が計算・納付されるため、確定申告を行う必要はありません。

所得控除と住民税―所得税と住民税の関係と所得控除の影響

所得控除は所得税計算だけでなく、住民税の計算にも影響を与えます。

所得控除後の所得金額は、所得税だけでなく、住民税の課税対象となる課税所得の計算基礎ともなります。

住民税の課税所得は、所得控除後の所得金額から更に所得控除を行った金額となります。

これに対して、住民税の税率が適用され、住民税が計算されます。

具体的には以下のような計算となります。

1所得金額から所得控除(基礎控除等)を引く

2その結果からさらに所得控除(住民税の基礎控除等)を引く

3計算した金額に住民税の税率をかける

住民税の税率は、市町村や特別区によって異なりますが、所得税の税率とは別に設定されています。

まとめ

以上、所得税の基本的な概念と計算方法について解説しました。

税法は複雑で、細部のルールも多く存在しますが、ここで述べた基本的な理解を持つことで、自分自身の税金に対する理解を深めることができます。

税務には多くの要素が絡み合っています。たとえば、事業所得者は経費をどう計上するか、不動産所得者は減価償却費をどう計算するかなど、具体的な課題が待ち構えています。

そして、所得の種類や生活状況によって最適な税務戦略は変わってきます。

経理や税理士、会計士試験の勉強者にとっては、所得税の基本的な枠組みを理解することは、深い知識を積み上げるための第一歩となります。

具体的なケーススタディを行いながら、この基礎知識を活用しましょう。

また、節税対策や最適な税務戦略を立てるためには、専門家との相談が重要となります。

税理士や会計士は税法に精通しており、最新の情報を提供してくれます。

彼らのアドバイスを活用し、自分自身の所得状況に最適な対策を立てましょう。

所得税は、私たちの生活と密接に関わる税金です。自分の所得に対する税金の仕組みを理解することは、経済的な自立につながります。

これからも税法の理解を深め、賢い税務戦略を立てていきましょう。


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