経理/簿記試験

補助簿とは?各帳簿について解説!~補助元帳編~

テーマ
補助簿とは?補助元帳編
監修
簿記マスター

帳簿には、仕訳帳と総勘定元帳の「主要簿」と、主要簿の内容をより詳しく記録する「補助簿」の2種類があります。

その名の通り、補助的なイメージが大きい補助簿ですが、使い方次第ではなくてはならない大事な資料となります。

 

当記事では、補助簿の中でも「補助元帳」について解説します。

取引先や取引銀行が多い会社のほとんどは、補助元帳でそれぞれに対する残高管理を行っているでしょう。また、特定の勘定について詳しく内容を把握できる補助元帳は、経営戦略を練る上でも必要な帳簿の一つです。

補助元帳について理解を深めて、より正確な経理業務を行うことができるので最後まで読んでみてください。



補助簿の種類

補助簿の中でも、特定の勘定科目についてその内容を項目別に分けて記録を行う補助元帳と取引が発生した順に詳しい記録を行う補助記入帳の2種類に分けられます。

補助元帳

  • 商品有高帳
  • 得意先元帳(売掛金元帳)
  • 仕入先元帳(買掛金元帳)

補助記入帳

  • 現金出納帳
  • 預金出納帳
  • 小口現金出納帳
  • 仕入帳
  • 売上帳
  • 受取手形記入帳
  • 支払手形記入帳

商品有高帳とは

商品有高帳には、商品別の仕入・出荷・残高を記録し、在庫の管理を行います。通常は、商品ごとに1冊作成し、その商品の出入りを細かく管理するというわけです。

ここで管理が難しいのは単価です。同じ商品であっても、時期や取引先によって単価は変動するからです。

例えば下記のような場合、単価の管理が難しくなります。

  • a商品100個在庫あります
  • 50個は500円で仕入れたもの
  • 30個は300円で仕入れたもの
  • 20個は200円で仕入れたもの

このような内訳の場合、単価がバラバラのため、商品が売れるたびに帳簿上の単価(払い出し額)をいくら減らしたらいいのかわからなくなってしまいます。

そこで、以下の方法で管理すると正確に帳簿がつけられます。

  • 先入先出法
  • 移動平均法

先入先出法の記録

先入先出法は、先に仕入れた商品から払い出していくと仮定する方法です。

先入先出法の取引例

A商品について

4/1 前月繰越分 数量20個 単価500円 金額10,000円

4/10 30個を単価300円で仕入れた

4/20 20個を単価200円で仕入れた

4/25 40個を売り上げた

4/26 20個を売り上げた

商品有高帳(A商品)
日付 摘要 仕入 払出 残高
数量 単価 金額 数量 単価 金額 数量 単価 金額
4/1 前月繰越 20

500

10,000 20 500 10,000
4/10 仕入 30 300 9,000 20 500 10,000
30 300 9,000
4/20 仕入 20 200 4,000 20 500 10,000
30 300 9,000
20 200 4,000
4/25 売上 20 500 10,000
20 300 9,000 10 300 3,000
20 200 4,000
4/26 売上 10 300 3,000
10 200 4,000 10 200 2,000

このように、売り上げた時に先に仕入れたものから払いだしていくと仮定します。

なので、払い出す優先順位としては

  1. 前月繰越分の20個
  2. 4/10仕入の30個
  3. 4/20仕入の20個

の順に払い出していくというわけです。

上記取引では、4/20仕入のうち10個が残っていると仮定しています。

移動平均法の記録

単価の異なる商品を仕入れる度に平均単価を算出し、平均単価を残高欄に記入します。払出単価も平均単価で管理する方法です。

移動平均法の取引例(先入先出法と同様)

A商品について

4/1 前月繰越分 数量20個 単価500円 金額10,000円

4/10 30個を単価300円で仕入れた

4/20 20個を単価200円で仕入れた

4/25 40個を売り上げた

4/26 20個を売り上げた

商品有高帳(A商品)
日付 摘要 仕入 払出 残高
数量 単価 金額 数量 単価 金額 数量 単価 金額
4/1 前月繰越 20 500 10,000 20 500 10,000
4/10 仕入 30 300 9,000 50 380 19,000
4/20 仕入 20 200 4,000 70 329 23,030
4/25 売上 40 329 13,160 30 329 9,870
4/26 売上 20 329 6,580 10 329 3,290

仕入の列に実際の仕入単価を記入し、残高の欄に平均単価を記載します。その時に在庫している平均単価の商品を売上げたと仮定して、払出欄には平均単価を記入するというわけです。

得意先元帳(売掛金元帳)とは

経理の仕事の中でも、かなり重要なのが未回収の売掛金がないかをチェックすることです。請求書は発行・発送しているのに、取引先から支払いがなければ自分たちの会社の実際の儲けにはなりません。売掛金は回収して初めてお金になるため、いつ・どこに・いくら残高が残っているのかを正確に管理しなければいければいけないのです。

総勘定元帳における売掛金勘定では、トータルの残高はわかりますが、どの取引先分なのかは一つ一つ集計する手間がかかります。よって、得意先ごとに売掛金の管理ができる得意先元帳(売掛金元帳)が役に立つというわけです。

得意先元帳(売掛金元帳)の記録

得意先元帳の記録は、掛取引が発生したときに行います。

掛で売上が発生したときは、その金額を借方へ。

返品及び、入金があった場合は、貸方へ記録します。

これを得意先ごとに分けて記録していくことで、それぞれの売掛金の残高が分かり、回収漏れを防ぐことができるのです。

得意先元帳(売掛金元帳)の取引例

下記は、全てA商店との取引である。

  • 4/1 前月残高 350,000円
  • 4/5 商品150,000円分を掛けで売り上げた
  • 4/10 商品20,000円分の返品があった
  • 4/20 商品300,000円分の商品を売り上げた
  • 4/25 以前請求した200,000円の入金があった
得意先元帳(A商店)
日付 適要 借方 貸方 借/貸 残高
4/1 前月繰越 350,000 350,000
4/5 売上 150,000 500,000
4/10 返品 20,000 480,000
4/20 売上 300,000 780,000
4/25 入金 200,000 580,000

このように、A商店のみに絞った帳簿を付けることで、リアルタイムでその残高を確認することができます。ちなみに借/貸の欄には、借方・貸方のどちら側に残高があるのかを記録しています。借=売掛金残高がプラス。貸=売掛金残高がマイナス。ということです。

4/25現在のA商店への売掛金残高は580,000円であることが一目でわかり、回収が漏れていないかを確認することができます。

仕入先元帳(買掛金元帳)とは

得意先元帳と同様で、総勘定元帳だけの記録だと、仕入先ごとの支払い状況が分かりづらいことがあります。支払いが遅れることは会社の信用問題に係り、その管理は経理担当者が行うものです。ですから、いつ・どこに・いくら支払わなくてはいけないのかを正確に記録しなければいけません。

特に掛け取引は、仕入れてから支払うまでにタイムラグがあるため、管理が難しいものですが、仕入先元帳(買掛金元帳)を用いれば支払いが漏れるミスを防ぐことができるのです。

仕入先元帳(買掛金元帳)の記録

仕入先元帳の記録は、掛取引が発生したときに行います。

掛で仕入れが発生したときは、その金額を貸方へ。

返品及び、入金を行った場合は、借方へ記録します。

これを仕入先ごとに分けて記録していくことで、それぞれの買掛金残高が分かり、支払い漏れを防ぐことができるのです。

仕入先元帳(買掛金元帳)の取引例

下記は、全てB商店との取引である。

  • 4/1 前月残高 250,000円
  • 4/5 商品100,000円分を掛けで仕入れた
  • 4/10 商品20,000円分の返品をした
  • 4/20 商品200,000円分の商品を仕入れた
  • 4/25 以前請求された100,000円の支払いを行った
仕入先元帳(B商店)
日付 適要 借方 貸方 借/貸 残高
4/1 前月繰越 250,000 250,000
4/5 仕入れ 100,000 350,000
4/10 返品 20,000 330,000
4/20 仕入れ 200,000 530,000
4/25 支払い 100,000 430,000

このように、4/25現在のB商店に対する買掛金残高は、430,000円であることが分かります。

得意先元帳も仕入先元帳も必須の帳簿ではありませんが、取引先が多い会社であれば、作成していた方がいいでしょう。

まとめ

経理担当者の業務は、仕訳を行ったり現金を管理したりすることだけではなく、取引先への請求や支払いも重量な役割の一つです。特に掛けでの売買は、記録しておくことでスムーズに確認でき、漏れを防げます。帳簿を増やすことは手間も増えますが、いずれ自身が確認するときにとても役に立つのです。会計ソフトを上手に利用して、それぞれの帳簿を再度確認してみてください。きっと、これまで見えなかった角度で取引の流れが見えるようになるでしょう。

Biz人 編集部 経理応援隊/簿記応援隊

経理実務や簿記の試験対策に役立つ知識を提供します。

人気Articles

  1. コンサルタントでなくても作成可能!経営戦略の作成フローをわかりやすく解説!

  2. 消費税の課税対象の判断時の落とし穴

  3. 株式投資で資産を増やす方法:初心者が知っておくべき始め方と注意点

  4. 外国子会社合算税制(タックスヘイブン税制)とは?仕組みや適用条件をわかりやすく解説

  5. 似ている勘定科目に注意が必要!売掛金の仕訳方法やリスクを初心者にもわかりやすく解説!

  6. 「貸倒引当金」とは?簿記や経理実務に必要な処理方法や仕訳方法について解説

  7. セグメント注記とは?概念から作成方法まで徹底解説!

  8. 製品ライフサイクルとは?取るべきマーケティング戦略を5つの時期ごとに解説

  9. 簿記試験前におさらいしたい勘定科目!仮払金、立替金、仮受金、預り金の違いは?

  10. 補助簿とは?各帳簿について解説!~補助元帳編~