簿記を勉強し始めたばかりの方、そしてある程度慣れてきた方でも、電卓はまだ使いこなせていない方は多いのではないでしょうか。電卓の便利な機能を知っていれば、計算の時間短縮、さらに計算の精度向上にも役立ちます。
この記事では、簿記で簡単に使える電卓の便利な機能を3種類解説します。
簿記を勉強し始めたばかりの方、そしてある程度慣れてきた方でも、電卓はまだ使いこなせていない方は多いのではないでしょうか。電卓の便利な機能を知っていれば、計算の時間短縮、さらに計算の精度向上にも役立ちます。
この記事では、簿記で簡単に使える電卓の便利な機能を3種類解説します。
簿記は勉強が進むにつれて、どんどん計算量が増えていきます。そのため、計算過程などを毎回毎回メモをする方もいるかと思われます。その方法では本当に大変です。さらに、試験ではメモを取る時間はそれほどありません。たとえば日商簿記検定のウェブ試験では、紙での試験と同じくらいのボリュームの問題量で、時間は神の試験の半分の、たった1時間しかありません。試験においては、時間がなくて失敗してしまうのは一番もったいないことです。
そこで、使うのは「メモリー機能」です。
電卓の機種によって位置などはかなり変わりますが、
「CM」(クリアメモリーキー)メモリーした数値を消します。
「RM」(リコールメモリーキー)メモリーした数値を表示します。
「M-」(メモリープラスキー)入力した数字をメモリーの数値から減算します。
「M+」(メモリープラスキー)入力した数字をメモリーの数字に加算します。
と書かれたキーはありませんか?もし、これらのキーがない方で、これからも簿記を勉強する予定のある方は、ゆくゆくは買い換えた方がいいかもしれません。あればかなり有利で重要なキーだからです。
では早速、これらを使って計算速度を上げていきましょう。
手元に電卓がある方は一緒に操作をしてみましょう。
では、電卓で「100」と打ってください。そこで、「M+」(メモリープラスキー)を押します。
次に、その100をC(クリアキー)で消してください。
そして、「RM」(リコールメモリーキー)を押すと、先ほど消した100が表示されています。ひとつだけですが数値を記憶することが可能です。これで電卓の中に100が記憶されました。
その逆に、その数字を減らすことも可能です。
まず先ほどの100をCで消します。
電卓に「25」と打ち、「M-」(メモリーマイナスキー)を押してください。
そして、25をCなどで消します。
また「RM」を押すと、100から25を減算した75が表示されます。
そして、これらを消すには「CM」(クリアメモリーキー)を押します。これで完了です。
では、実際の簿記の問題ではどのように使うかを解説します。
例えば、損益計算書や貸借対照表に関する問題で使います。
貸倒引当金の設定をする際に、受取手形や売掛金に貸倒実績率をかけて計算すると思います。受取手形と売掛金の貸倒引当金を別々で計算したいとき、いちいち同じ実積率を再度打ち込んで計算するのは面倒です。そこで、メモリー機能を使います。
では問題を使って解説をします。
(例題)次の売上債権の貸倒引当金を計算しなさい。
受取手形 100,000円 売掛金 200,000円 貸倒実績率 1%
こういったときには、まず貸倒実績率をメモリーしておきます。
・0.01 → M+
・100,000 → × → RM → = 解答の1,000円
・200,000 → × → RM → = 解答の2,000円
ちょっとしたテクニックですので、たかがこれだけかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、今後、簿記を勉強するにつれて必要になるのでこの機会に覚えておくと役に立つと思われます。これから先、さらに計算量が増えていきます。あとこのテクニックは工業簿記の計算においてもよく使われます。また、少しでも試験時間を稼ぎ、一通り問題を解き終えて、後から見直す時間を作るのは何よりも大切です。
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