経理/簿記試験

月次締めで期末決算の負担を減らそう!経理事務の工数負荷を減らす方法を紹介!

テーマ
月次締めで工数負荷を減らす方法
監修
簿記マスター

皆さんがお勤めの会社は「月次締め」がありますか?

毎月締め作業をしている方は、月次締めがない会社があることに驚くかもしれません。反対に、「月次締め?なにそれ?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

実は月次締めをしなければいけないという決まりはなく、会社に一任されています。そこで本記事では、月次締めについて解説し、そのメリットやチェックすべきポイントについて触れています。

毎月の月次決算が面倒に感じている方は、その必要性について理解を深めることでちょっとだけ考え方を変える良い機会になるかもしれません。

また、月次締めの経験がない方は取引先ではやっていることかもしれないので、知っておくと便利な情報です。ぜひ、最後まで読んでみてください。



「月次締め」とは

どの企業でも、期末には決算があります。

これを各月末に行うことを「月次締め」または「月次決算」と呼びます。売上や仕入れ、経費などをその翌月5日頃までに全て計上し、会計を締めるのです。

株主への報告が目的の一つでもある期末決算とは異なり、経営管理のために行われる締め作業という認識で間違いないでしょう。

月次締めのメリット

毎月スケジュールに追われる決算をやるなんで面倒!と感じるかもしれません。

しかし、月次締めにはたくさんのメリットがあります。

メリット1 リアルタイムで経営戦略を立てられる

月次締めを行うことで、毎月の損益計算書が作成されます。

期首に設定した目標に対する達成率の進捗を正確な数字で見ることができるため、今後の戦略を練る材料になるのです。

また、月次締めを積み重ねておくと、前年同月の成績と対比することも可能です。

これは、営業会議で重要な資料になる上に、各担当者の正確で公平な評価にもつながります。

例:社員別売上表

今月目標 今月 達成率 前年同月 前年同月比
社員A 950,000 1,000,000 105% 900,000 111%
社員B 1,400,000 1,200,000 86% 1,500,000 80%
社員C 1,000,000 970,000 97% 950,000 102%
合計 3,350,000 3,170,000 95% 3,350,000 95%

メリット2 期末決算がスムーズになる

年に1回の期末決算に向けて、経理担当者は毎年スケジュールに追われていることでしょう。もちろん毎月締め作業をしていても同じです。

しかし、月次締めを行っていると決算での負担が減ります。

①6,000,000円の減価償却費を月割りして毎月計上する場合

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 500,000 減価償却累計額 500,000

②6,000,000円の減価償却費を決算にて1度に計上する場合

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 6,000,000 減価償却累計額 6,000,000

①のように減価償却費を月割りにして毎月計上するのと、②のように決算で1度に計上するのとを比べてみます。

処理の回数で言えば②の方が少ないため、一見こちらを選択したくなるかもしれません。しかし、年に1度きりの処理はその方法を忘れがちです。さらに金額の大きいものを計上することは心理的にプレッシャーを感じ、決算期の負担につながります。

退職金引当金なども同様で、大きい額であればあるほど月締めのタイミングで計上できていると決算での負担が減るのです。

メリット3 債権や債務、未収未払いの管理がスピーディー

例えば、回収が遅れている債権について翌月にチェックを入れることができます。

反対に支払いが遅れている場合も早期発見ができるため、得意先との信頼関係の面でも月次締めが役に立ちます。

未収未払い金も同様で、毎月その残高を確認することができるので今後の支払い等の予定が立てやすいのです。

メリット4 残高の確認が正確である

月次締めでは、現金や在庫の残高確認も行います。

帳簿と実際有高を合わせているため、期末決算で慌てることはありません。

また、販売側の意味でも正確な在庫チェックができます。翌月に行う仕入の予測を立てたり、積極的に売らなければいけない商品を決めたりと、経営戦略に係わる大切な情報となります。

月次締めのスケジュール

以下は、月次締めスケジュールの例です。

例:月次締めスケジュール

日付 業務名 内容
翌月1日 残高照合 現金と在庫の有高を帳簿と合わせる
翌月2日 販売関係計上 売上や仕入の計上を完了させる
翌月3日 請求書発行 得意先への請求書発行・発送を行う
翌月4日 経費計上 全ての伝票の計上を完了させる
翌月5日 仮締め/解除 内容確認と訂正を行う
翌月6日 本締め 月次締め完了
翌月10日 資料提出 損益計算書等、月次締め資料を提出する

締め日は、会社毎に10日や20日、末日とそれぞれ異なりますが、締め日からおおよそ5日程度で本締めとなることが多いです。

通常の業務に加えて、上記のようなハードスケジュールが加わるため、月初めは特に忙しいのが経理担当者となります。

減価償却費は月割りで計上がオススメ!

簿記試験でも、決算整理仕訳として減価償却費が出題されますが決算期のみだけでなく月割りで毎月計上することをオススメします。

その理由は以下の2つです。

  1. 決算期はやることがたくさんあるため、年1のみの業務を減らすと負担減
  2. 毎月計上することで、正確な損益を把握できる

決算期はやることがたくさんあるため、年1のみの業務を減らすと負担減

決算期は思っている以上にやることが膨大です。年に1度の大イベントで大忙しの中、普段やらない業務を行うのは避けたいところ。

そこで、毎月のルーティンとして計上しておけばスムーズに対応できます。

毎月計上することで、正確な損益を把握できる

減価償却費6,000,000円を年に1度で計上する場合、以下のような計上の仕方となります。

10月 11月 12月 1月 2月 3月【決算期】
0 0 0 0 0 6,000,000

減価償却費は、費用なため決算期に費用を6,000,000円計上すると一気に赤字に転落してしまうことも。

そこで、以下のような処理をします。

10月 11月 12月 1月 2月 3月【決算期】
500,000 500,000 500,000 500,000 500,000 500,000

式:6,000,000円÷12カ月=500,000円/月

6,000,000円を月割りして、500,000円ずつ毎月計上するのです。

年間総額は同じですが、毎月かかる費用としておけばいきなり赤字!なんてことは防げます。

減価償却費だけでなく退職金引当金や貸倒引当金も同じように毎月計上しておくと、決算月に業務の面でも経営の面でも負担が減ります。

年一の決算で焦らないために

毎月決算なんて面倒と感じる方もきっと多いことでしょう。

特に月末・月初は時間追われて憂鬱になりがちですよね。でもこれにはしっかり意味があって、経営側にとっては非常にありがたい業務です。

正確なスピーディーな月次締めがあることで、今後の会社の経営戦略が大きく変わるからです。

また、年に一度しかない決算で大きな数字を一度に計上するよりも、毎月の業務として取り入れておくと焦らずに済みますよ。さらに、仕訳などの訂正は月次締めを行っていると翌月に気づきやすくなります。

決算期にずっと前の仕訳を訂正するよりも、翌月に解消できた方が経理担当者としても嬉しいはずです。

このように月次締めを行うことは会社全体としてメリットがたくさんあります。毎月の大変な業務も、大きな役割を果たしていると思うとちょっとだけ前向きに捉えることができるかもしれませんよ。


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