毎月スケジュールに追われる決算をやるなんで面倒!と感じるかもしれません。
しかし、月次締めにはたくさんのメリットがあります。
メリット1 リアルタイムで経営戦略を立てられる
月次締めを行うことで、毎月の損益計算書が作成されます。
期首に設定した目標に対する達成率の進捗を正確な数字で見ることができるため、今後の戦略を練る材料になるのです。
また、月次締めを積み重ねておくと、前年同月の成績と対比することも可能です。
これは、営業会議で重要な資料になる上に、各担当者の正確で公平な評価にもつながります。
例:社員別売上表
|
今月目標 |
今月 |
達成率 |
前年同月 |
前年同月比 |
社員A |
950,000 |
1,000,000 |
105% |
900,000 |
111% |
社員B |
1,400,000 |
1,200,000 |
86% |
1,500,000 |
80% |
社員C |
1,000,000 |
970,000 |
97% |
950,000 |
102% |
合計 |
3,350,000 |
3,170,000 |
95% |
3,350,000 |
95% |
メリット2 期末決算がスムーズになる
年に1回の期末決算に向けて、経理担当者は毎年スケジュールに追われていることでしょう。もちろん毎月締め作業をしていても同じです。
しかし、月次締めを行っていると決算での負担が減ります。
①6,000,000円の減価償却費を月割りして毎月計上する場合
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
減価償却費 |
500,000 |
減価償却累計額 |
500,000 |
②6,000,000円の減価償却費を決算にて1度に計上する場合
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
減価償却費 |
6,000,000 |
減価償却累計額 |
6,000,000 |
①のように減価償却費を月割りにして毎月計上するのと、②のように決算で1度に計上するのとを比べてみます。
処理の回数で言えば②の方が少ないため、一見こちらを選択したくなるかもしれません。しかし、年に1度きりの処理はその方法を忘れがちです。さらに金額の大きいものを計上することは心理的にプレッシャーを感じ、決算期の負担につながります。
退職金引当金なども同様で、大きい額であればあるほど月締めのタイミングで計上できていると決算での負担が減るのです。
メリット3 債権や債務、未収未払いの管理がスピーディー
例えば、回収が遅れている債権について翌月にチェックを入れることができます。
反対に支払いが遅れている場合も早期発見ができるため、得意先との信頼関係の面でも月次締めが役に立ちます。
未収未払い金も同様で、毎月その残高を確認することができるので今後の支払い等の予定が立てやすいのです。
メリット4 残高の確認が正確である
月次締めでは、現金や在庫の残高確認も行います。
帳簿と実際有高を合わせているため、期末決算で慌てることはありません。
また、販売側の意味でも正確な在庫チェックができます。翌月に行う仕入の予測を立てたり、積極的に売らなければいけない商品を決めたりと、経営戦略に係わる大切な情報となります。