経理/簿記試験

【経理初心者必見!】勘定科目のホームポジションを覚えよう【借方?貸方?】

テーマ
勘定科目のホームポジション
監修
簿記マスター

経理担当の皆さん!毎日お疲れ様です。

会社や企業では、毎日休むことなく売上や仕入れ、各経費が発生しています。

そんな中、経理初心者の方は、

「借方って左右どっち?」「この科目はどっちに書くの?」

などと目が回っているのではないでしょうか?

覚えてしまえば割とスラスラと仕訳ができますが、そのレベルに到達するまでが大変なのですよね。

そんな時は、各勘定科目のホームポジションを覚えるといいですよ。ホームポジションさえ押さえておけば、あとは“増えたのか、減ったのか”を判断するだけ。

月末に膨大な量の仕訳を行うときに、右なの?左なの?と悩む時間をなるべく減らしていきたいですよね。

当記事では、経理初心者の方向けに各科目における借方貸方の記載位置について解説します。これから簿記の資格取得を目指す方も、基本知識として絶対に必要なものとなります。

ぜひ最後まで読んでみてください。

仕訳の目的

いきなり経理の世界に飛び込んだ方や、まだ決算を迎えたことのない経理担初心者の方は、日々の仕訳の目的をしっかり理解できていますか?

ご家庭での家計簿のような単式簿記とは異なり、経理における簿記は、売上とその時に発生した費用なども同時に記録していくものです。それらを正確に積み重ねて記載していくことで、多方面から会社の経営状態や経営成績がわかる資料が出来上がります。

仕訳の最終ゴールは、決算時に作成される「賃借対照表」と「損益計算書」なのです。

賃借対照表とは?

その企業が保有する資産や、借金にあたる負債がどれだけあるのかを報告するための資料です。預貯金の残高や土地や建物をたくさん所持する企業であっても、借金や未払いの残高が多いのであればその企業の財政状況は良いとは言えません。

このように、資産と負債のバランスから企業の財政状態を見ることのできる資料が「賃借対照表」です。

企業同士が新規で取引を開始しようとするとき、お互いの賃借対照表を参考にして契約に至るかを決める公の資料となります。

損益計算書とは?

企業は通常、1年に1度決算日を設定しています。その1年の間にどれだけ売上げて、どれだけ仕入れたのか、またその際の費用はどれだけかかったのかを仕訳によって記録するのです。

“儲けたのか?損したのか?”

更には、

“どれだけ儲けたのか?どれだけ損したのか?”

が一目でわかる資料が損益計算書です。

損益計算書は各月ごとに出力することもでき、その結果次第で経営戦略を立てていきます。

管理者にとって損益計算書は、今後の作戦を練るための大切な資料なのです。

この「賃借対照表」と「損益計算書」は、日々の仕訳の最終的なゴールであり、正確な仕分けこそがその企業の1年の成績表となります。

借方と貸方の覚え方

仕訳の第一歩でつまずきがちなのは「借方と貸方の右左の位置」です。

どっちがどっち?となかなか覚えられませんよね。

まず、読み方は

借方→“かりかた”

貸方→“かしかた”

です。

所説ありますが、この言葉自体に意味はないと言われていますので、深くは考えずにいた方がいいでしょう。

次に、借方貸方の左右の覚え方です。

このように覚えるのはいかがでしょうか?

最初は、左右が分からなくても毎日コツコツと仕訳をするうちに絶対に身体に染み付くので安心してくださいね。

各科目のホームポジション

仕訳をするとき、各勘定科目とその増減によって借方と貸方どちらに記録するのか決まります。これを間違えてしまうと、売上げたはずの商品が帳簿上では返品処理になってしまったり、減っているはずの現金が帳簿残高で増えてしまったりと、正確な記録となりません。

簿記の5要素とは?

先述した通り、仕訳による最終ゴールは「貸借対照表」と「損益計算書」です。

この2つの資料は、6つの要素から成り立ちます。その中で日々の仕訳によって発生する要素は5つとなっています。

賃借対照表の要素

  • 資産
  • 負債
  • 資本(純資産)

損益対照表の要素

  • 収益
  • 費用
  • 純利益→決算の際に発生する要素の為、日々の仕訳要素ではない。

この5要素のいずれかに、勘定科目は分類され、その増減で借方か貸方かが決まります。

5要素のホームポジション

5要素のホームポジションは以下の通りです。

貸借対照表

損益計算書

例えば、勘定科目・現金は資産に分類されますので、ホームポジションは左、つまり‘借方’です。また、商品を売ると売上が発生します。売上は収益に分類され、ホームポジションは‘貸方’となります。

借方と貸方の見分け方

上記を踏まえた上で、例えば現金が増えたのならホームポジションの借方、減ったのなら反対側の右へ、つまり貸方となるのです。

借方と貸方の見分け方

借方貸方を考えるときの流れは以下の通りです。

  1. 勘定科目の要素を選択
  2. その要素が増えた?減った?を選択
  3. 増えたらホームポジションのまま、減ったら反対側へ記録する

以下の取引で練習してみましょう。

現金100円を支払って、商品を仕入れた

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入(費用) 100 現金(資産) 100
  • 現金(資産)が減ったので、ホームポジションの反対の貸方へ
  • 仕入(費用)が発生、つまり増えたのでホームポジションの借方へ

商品を100円で売上げた

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金(資産) 100 売上(収益) 100
  • 現金(資産)が増えたので、ホームポジション借方へ
  • 売上(収益)が発生、つまり増えたのでホームポジション貸方へ

このように、貸方と借方の記載位置決定は、その勘定科目のホームポジションを覚えないといけません。また、その勘定科目が、どの要素に分類されるのかを理解することも重要です。

【要素別】勘定科目一覧

良く使用する勘定科目を要素別にまとめました。

迷ったらこちらを確認してみてください。

“経理”=“経営管理”

決算で作成された賃借対照表と損益計算書は、取引先にも公開される資料となります。その重要な資料作成は経理担当者の日々の仕訳作業によって成り立つのです。

経理初心者でも毎日正確にコツコツと仕訳をしていくことで、会社にとって重要な資料を作成できます。一見地味に見られがちな経理担当者は、経営を管理する重要な役割です。なんだかわくわくしてきませんか?

毎日取引が発生するけれど、勘定科目はたくさんあるし、借方貸方どっちに記入するのかも迷うし、慣れるまでは毎日試行錯誤する日々かと思います。

そんな時は、勘定科目のホームポジションを思い出してください。どの要素に当てはまり、ホームポジションは借方なのか貸方なのか、基本に立ち返ってみるといいですよ。

今日も仕訳を頑張りましょう!

Biz人 編集部 経理応援隊/簿記応援隊

経理実務や簿記の試験対策に役立つ知識を提供します。

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