経費精算でトラブルがあってその対応に追われてしまって疲弊してしまった。そんな経験をしたことはありませんか?今回は経費精算でよくあるトラブルの事例とその対処法についてお話をします。経費精算のトラブルは、提出者本人に原因がある場合と経理内部の処理方法のふたつあります。前者は根気よく提出者本人と向き合う、後者はコストで解決する話です。それではさっそく説明させていただきます。
経費精算で経理によくあるトラブルと解決方法
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- 経費精算のトラブルと解決方法
- 監修
- 経理部長補佐
【目次】
経費精算の出し忘れ
経費精算でよくあるトラブルは、社員の経費精算の出し忘れです。
原因は、領収書を引き出しに入れたまま放置していたり、管理が苦手で他の書類に紛れていたりと様々です。経費精算を出さなかったら精算されないだけなので本人が困るだけ、と思われがちです。確かに本人が経費精算を出さなければ特に問題なくやりすごされることもあります。
しかし、本来営業の電車代や駐車場代、総務の消耗品の購入費などは予算が組まれている場合があります。予算は余らせても使いすぎても喜ばれません。しっかりとその期間に使った会社関係のお金は会社に申告して、精算し、会社の費用として認識する必要があります。予算通りに費用が発生しているのであれば問題はありませんが、上長がその期間の費用を読み違えると次年度の予算組みにも影響が及びます。正確な数字を計算するのに、本来予定されている費用をしっかりと計上することが大切です。
また、放置したはいいけども、出張旅費を計算し直したら数十万も使っていた。やっぱり精算してほしい。などと思い直すことがありえます。なかには1年以上前の精算を出す人もいますが、1度確定した過去の費用がやっぱり違ったと言われて困るのは、本人のみならず、その上司、経理、会社の数字をみる関係者です。
基本的には、本人が出すつもりがないなどと言っていたとしてもその期間に使った会社関係の費用は経理が指定している期間に提出するように指導すべきです。
日ごろからこまめな啓蒙活動を心がけましょう。経費精算を出さないほうが会社いにとってはいいのでは?と思い込んでる人もいるので、会社のためにも自分の懐事情のためにもきちんと精算することを知ってもらうことが重要です。
期限を守れないタイプの人であれば事前に連絡をしたり、声掛けをしましょう。
経費精算を何度も間違える
経費精算でよくあるトラブルは、社員が経費精算の内容を何度も間違えることです。
間違えるのは、勘定科目、旅費のルート、内容、承認権限などです。
原因は、社員本人の性格だったり、忙しかったり、外出が多くて旅費の精算がありすぎたり、と様々です。
この場合の対処法は地道です。相手が間違えた部分が理解不足であれば間違いの都度わかりやすく説明に行くと有効です。
みんなが間違いやすいポイントがあるのであれば、社内イントラに間違いが多いポイントを掲載しておいたり、提出期限のアナウンス際に気を付けて欲しいことをわかりやすく記載しておくと有効です。
提出する経費精算が多すぎてわからなくなってしまっている人は間違いが多い傾向があります。間違いが多いとわかっている人は提出されたら早めにチェックして、修正してもらいましょう。
なかには丁寧に説明したり、指摘してもあまり効果がない相手もいます。そんなときはついため息をつきたくなることもあるかもしれませんが、仕事が忙しすぎて整理ができていなかったり、性格的にどうしても書類が苦手な人もいるので、ある程度はミスはフォローしながらも根気よく指導し続きましょう。
経費精算の入力に時間がかかる
経費精算でよくある課題は、経理部門の経費の会計ソフトへの入力のスピードです。
特に少数人数でスピードを求められる会社に所属している経理部門の方は、経費のチェックと会計ソフトへの経費の入力のスピードは重要です。会計ソフトに手入力で仕訳を入力しているのであれば、経費精算システムの導入も検討しましょう。
例えば紙1枚の経費精算書をひとつひとつ入力する場合のフローは
- 社員がExcelなどで経費精算書を入力する
- 経理が紙を見ながら会計ソフトで1つずつ打ち込む
というフローになり、会計ソフトに入力する時間が1枚あたり5分かかれば、100枚で500分(約8時間)かかります。大きな特徴は、経費精算書の枚数が多ければ多いほど時間がかかることです。
しかし、もし経費精算システムを導入した場合は
- 社員が経費精算システムに経費を入力する
- 経費精算システムからCSVデータを落として、会計システムに取り込みを行う。または経費精算システムと会計システムを連携する
というフローになります。②は経費精算システムからはきだしたCSVデータに加工の必要があったとしても30分程度で処理できます。また、枚数がどれだけ多かったとしても、かかる入力作業時間はほとんど同じです。
通常、手作業で1枚1枚処理をしていくと数が多いほど集中力を欠いていくので入力ミスが増えます。このミスは折角完璧な証憑書類を揃えたとしても入力作業を人の手で行う以上は起こりえます。
入力した仕訳が間違いが多くて困っているのであれば、システムを頼ることで経理内部のヒューマンエラーを減らすことも検討しましょう。
まとめ
経費精算の提出者の出し忘れや間違いについてはマニュアル、アナウンス、説明と根気よく社内にルールを根付かせる啓蒙活動が必要となります。
経理内部で起こる入力ミスなどは経費精算システムなどの導入も検討してみましょう。経理の仕事は、速やかに正しい数字を作ることです。経費精算で起こりえるミスはなくし適切な処理を行えるようにしましょう。