ブックレビュー

【要約】仕事ができる人の思考法「数値化の鬼」

テーマ
仕事ができる人の思考法
監修
キジたん

皆さんは仕事ができる人というとどんな人をイメージするでしょうか。

仕事が早い人?アイデアが豊富な人?プレゼンがうまい人?

今回ご紹介する「数値化の鬼」では、仕事ができる人に共通するたった一つの思考法は、いかなるときも「いったん数字で考える」ことだと説明しています。

仕事だけでなく人生の全てに役立つ数字との向き合い方が学べる「数値化の鬼」をご紹介していきます。

 

【著書情報】

タイトル 数値化の鬼
著者名 安藤 広大
出版社 ダイヤモンド社
ページ数 287ページ
発売日 2022/3/1

【章立て】

序 章:「数値化の鬼」とは何か

第1章:数を打つところから始まる ―「行動量」の話

第2章:あなたの動きを止めるもの ―「確率」の話

第3章:やるべきこと、やらなくてもいいこと ―「変数」の話

第4章:過去の成功を捨て続ける ―「真の変数」の話

第5章:遠くの自分から逆算する ―「長い期間」の話

終 章:数値化の限界

 

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数値化の目的とは何か

数値化と聞くと売上目標やノルマを想像してネガティブなイメージを持つ人も多いかもしれません。そもそも数値化することの目的とは何でしょうか。

本書では、数値化の目的を「未来に目を向けて自分に足りないものを見える化すること」だと説明しています。

数字と向き合っているかどうかで生じる「差」は、年を重ねるごとに大きく開きます。

数値化により「見える化された評価」や「自分の足りない部分」をしっかりと受け入れるということが、仕事をしていくうえでとても大切な考え方なのです。

▼おすすめ記事▼「【要約】FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した記事はこちら↓

 

数値化が成長につながる

それでは、数値化することでどうやって仕事ができる人になれるのでしょうか。

出てきた数字をただ見ているだけでは嫌になるだけです。

本書では、数値化された結果を見ることと、「じゃあ、次はどうするか?」を考えることはセットだと説明しています。

自分に足りなかった点や失敗を素直に認め、次につなげることで、ようやく仕事で結果を生み出すことができるのです。

数値化し、結果に素直に向き合い、改善する。この繰り返しこそが成長への道なのです。

▼おすすめ記事▼「コンサルタントでなくても作成可能!経営戦略の作成フローをわかりやすく解説!」を紹介した記事はこちら↓

 

仕事ができる人になるための5つのステップ

仕事における数値化には、会計や統計学などの難しい知識は基本的に不要です。

本書では、実際に「仕事ができる人」=「数値化の鬼」になるための具体的な方法について、以下の5つのステップで説明しています。

 

ステップ1:「行動量」を増やす

ステップ2:「確率」のワナに気をつける

ステップ3:「変数」を見つける

ステップ4:「真の変数」に絞る

ステップ5:「長い期間」から逆算する

それではそれぞれのステップについて順番にご紹介していきます。

 

「行動量」を増やす

仕事では結果を出すことが何よりも大切ですが、そのために必要なことは「行動量」を増やすことです。

若い人に多くみられるのが、「計画」を立ててから「行動」するまでのタイムロスです。

「行動量」とは「何回やったのか」「1日に何時間できたのか」という量を表しますが、何をどのくらいやればいいのかが漠然としていると動けません。

そこで威力を発揮するのが「数値化」です。

大きな目標を達成するために行動すべきことを細かく分解し、分解した行動ごとの目標(目標のための目標=KPI)を数値化することで、迷わずに動くことができるようになります。

本書では「行動量」を増やすための考え方が数多く紹介されています。

 

「確率」のワナに気をつける

仕事ができる人になるにあたって、大きな障害となるのが「伸び悩み」です。

最初は行動量を意識していた人も、仕事に慣れてくると徐々に達成率や成功率といった「%(率)」にこだわるようになります。

失敗しないことを重視して、成功の「確率」だけで物事の良し悪しを考え出すと、チャレンジしなくなり、成長が止まってしまいます。その先に待っているのは「評論家のようなプレーヤー」や「働かないおじさん」です。

あくまで大切なのは行動量です。成果を出し続けるためには「量」をキープしたまま「率」を上げていくことが大切です。

 

「変数」を見つける

仕事の成果に直結するのが「変数」です。「変数」は本書で最も重要な概念です。

仕事で成果を出すためには、「仕事のどこを変えればいいのか」を見極めることが大切です。

例えばプレゼン資料の作成時間を1時間から2時間に増やしても結果が変わらなかったのに、プレゼンでの話し方の練習に時間をかけてみたら結果が良くなったとします。

この場合、「資料の完成度が変数だったのではなく、話し方が変数だった」のです。

隠れた「変数」を見つけるためには、仕事の工程を「行動レベル」に細かく分けて、数値化して考える必要があります。

「変数」を意識するだけで、いつでも成果を出せる「仕事ができる人」になれるのです。

「真の変数」に絞る

「変数」はとても重要ですが、放っておくと増えすぎてしまうのが注意点です。

「変数」が増えると重要なことが増え、時間がなくなり、パフォーマンスが落ちます。

そこでポイントになるのが「変数を減らす」という考え方です。

自分自身で「他に変数がないかを考え前例を手放す」ことや、リーダーが「それは変数ではない」と指示することなどが有効なアプローチです。

間違った努力をしてしまっていることについて、「それは変数ではない」と認知できるかどうかがポイントです。

過去の成功を疑い、新しく仮説を立てる。この繰り返しこそが「仕事ができる人」になる秘訣です。

 

「長い期間」から逆算する

これまでの4つのステップは、「行動量」を増やし、「変数」を見つけ、短期間でスピーディに成長するための方法でした。

しかし、短期的な視点だけでは十分ではありません。今の世の中は「目先の短期的な利益」を重視しすぎているからです。

そこで最後のステップとして必要なのが、長期的な視点から逆算するというプロセスです。

時間軸とセットでシミュレーションする、つまり「5年後、10年後はどうなっていくだろう」という視点を持つことが重要です。

「5年後の姿」と「今日の行動の目標(KPI)」が数値として一本の線でつながると、短期的な利益だけに目を奪われず、長期的な利益を選択できるようになります。

この長期的な視点は、マネージャーや経営者のように、役割がより上のポジションの人にとって大切なスキルになってきます。

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まとめ

皆さんの中には「数字がすべてではない」と思う人もいるかもしれません。

でも、数字は客観的な視点を与えてくれる「大切なモノサシ」なのです。

数字によって不足を見ることができ、次の行動を変えることができます。

順番としてはまずは「いったん数字で考える」ことが大切です。数字以外はその次です。

心を鬼にして「数字」と向き合い、課題から目をそらさないことが、仕事ができるようになるための第一歩です。

今回ご紹介した「数値化の鬼」の思考法は、仕事で成果を出すためにきっと役立つはずです。ぜひ本書を読んで参考にしてみてください。

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Biz人 編集部

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