経理/簿記試験

経理担当者が種類の多い証憑書類チェックで見るべきポイント

テーマ
証憑書類チェック
監修
監査法人勤務者

請求書や経費精算でチェックするポイント

証憑書類のチェックが漏れていて、そのことが月次や年次決算に発覚して困ったことがありませんか?

書類を精査しないまま承認・決裁する、ということはありえません。しかし実務上は経理の元に上長の承認が終わった書類が届いた際に書類に不備が見つかることはあります。経理の仕事は間違いを見逃さないようにしっかりとチェックすることです。「上長が承認印を押しているからきっと大丈夫」と思うことなく、この書類は間違っているかもしれない、という意識をもちながらしっかりとチェックしていきましょう。

経理のみるべき証憑書類として、請求書と経費精算があります。請求書は、これから取引先への支払いに回す証憑です。経費精算は、すでに従業員が会社の代わりに立替払いを済ませたレシートや領収書が証憑になります。つまり請求書は支払前、経費精算は支払後の証憑書類ということになります。

請求書や経費精算には見るべきポイントがあります。このポイントを理解しているとミスを早めに発見でき、月次や年次決算までにその間違いの修正を反映させることができるようになります。

では、このあと、このポイントについてご紹介させていただきます。

請求書でチェックするポイント

日付

通常、請求書には発行日の日付が記載されています。月末締であればの翌月の5営業日以内に発行されている場合が多いです。

この請求書に記載されている発行日と請求書の内訳に書かれた文面の整合性が取れるかのチェックをしましょう。通常請求書には○月分などと「いつの費用か」ということがわかるように表示がされています。請求書の内訳の月と発行日が離れすぎている場合、理由を現場担当者に確認するようにしましょう。

 

経理が請求書をチェックするのには2つの意味があります。

①経理チェック
②財務チェック

のふたつです。会社の規模によって経理承認と財務承認が異なる場合がありますが、経理財務部のように経理と財務のどちらもチェックする部門の場合は「いつの費用か」「支払日はいつか」を必ずチェックしましょう。

「いつの費用か」は、請求書の内容が進行中の月次ないしは進行月以後の費用であれば問題はありません。しかし進行中の月次より前の月の費用である場合、費用の計上漏れがあった可能性があります。現場担当者に遅れた原因を確認しましょう。

「いつの支払日か」は契約によって、事業部と取引先の間でどのサイトでの支払うかを契約書で定めます。経理側でサイトが確認できる業務フローになっているのであればチェックしましょう。

金額

受け取った請求書については、電卓などで内訳の数字にミスがないかを確認しましょう。特に取引先の作成した請求書がExcelなどで作成された場合については、関数が間違っていることにより計算ミスが起こる可能性があります。

その支払いについて、社内ルール上稟議や決裁が必要なものである場合に稟議や決裁が確認できない場合は差し戻します。社内フローで稟議や決裁について他部門がチェックする場合は経理でチェックする必要はないですが、誰がチェックするかが曖昧になっていると稟議(決裁)漏れなどが起こりえます。

監査対応がある会社の場合、稟議や決裁が揃ってないと困るのは経理部門です。承認ルートでチェックしておくとあとで起こる混乱を未然に防ぐことができます。

消費税

社内システムで勘定科目や消費税を現場担当者に入力してもらう場合、現場担当者が入力した消費税が間違っていないかのチェックをしましょう。

社内システムを会計システムに連動して費用計上する場合、消費税区分が間違っていれば会計データにも誤ったまま反映されます。よく使う項目の税区分は頭に入れておくといいでしょう。消費税がわからない場合は、過去の社内システムや会計ソフトの消費税区分を参考にしたり、部内の予算で消費税関係の本を購入しておきましょう。

勘定科目も消費税同様、社内システムが会計ソフトの連動して費用計上を行う場合、現場担当者が勘定科目を間違えていると会計データも間違ったまま反映されます。

こちらも経理規定などの勘定科目取扱要領を参考にしたり、勘定科目の本などを部内の予算で購入したりしてチェックしましょう。

経費精算でチェックするポイント

経費精算についても見るべきポイントは請求書と基本的には同じです。ただし、経費精算はすでに支払い済みのレシートや領収書をチェックするので支払前の請求書とチェックするポイントはわずかに異なります。

①発行日付は、費用が発生した日であり、支払いをした日
②金額は確定額(すでに支払っているため)
➂稟議・決裁は経費精算の社内規定に準じる
④消費税、勘定科目は経費精算システムを使用している場合は現場入力のため経理側でもチェック

など経費精算ならではの特性を認識しておきましょう。

交際費

経費精算では、交際費について、決算や税務調査に備えて特別に配慮をする必要があります。

飲食接待交際費は一人当たり5,000円以下の場合は全額損金となりますが、全額損金にするためには下記の事項についての書類の保存が必要です。

①飲食等のあった年月日
②その飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
➂ その飲食等に参加した者の数
④その費用の金額並びにその飲食店、料理店等の名称及びその所在地

飲食代の領収書には①と④は記載されているはずなので、領収書の裏には②と➂を記載するように現場に周知徹底する必要があります。

一人当たり5,000円超の飲食接待交際費となると、損金不算入になる場合があります。一人当たり5,000円以下になる接待飲食費は要件を満たして全額損金処理することを心がけましょう。

まとめ

いかがでしょうか。チェックするポイントを理解しているとミスの発見が早くなります。

月次や年次決算をミスなく速やかに締めるために、経理担当者はこちらにあげた証憑のチェックポイントは最低限押さえておきましょう。

Biz人 編集部 経理応援隊/簿記応援隊Biz人 編集部 経理応援隊/簿記応援隊

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