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経理業務を効率化する方法は?新入社員必見!経理実務で役立つExcel関数を紹介!

テーマ
経理実務で役立つExcel関数
監修
Big4社員

経理部門の月次を締めるのが遅い、仕事が遅いと言われてつらい思いをしている方はいませんか?実は私もかつては仕事の遅いと言われる経理部に在籍していました。月次付近では終電で帰れなくてつらい思いをしたこともあります。

しかし、どうしたら早く終わるのか、どうしたらミスのない処理をできるのかを試行錯誤することにより、作業時間を短縮し、正確性をあげることができました。

結論、確認と集計のExcel関数を覚えると劇的に業務効率を早めることができます。

人間が計算を電卓でこつこつ打ち込むよりも、Excel関数を使ったほうが圧倒的に早いですし、人間が目視で確認するよりもExcelに確認作業を任せるほうがより確実にエラーを発見します。

それでは、経理実務で使うと時間短縮できるExcel関数をご紹介します。


集計作業で使えるExcel関数

SUM関数

Excel関数の基礎。Excelで集計する際に、合計値をシンプルに求めることができるのはSUM関数です。

例えば、E2からE6のセルの数字の合計額を求めたい場合に使えます。

=SUM(集計範囲)

という関数を使用します。

E7のセルに=SUM(E2E6)と関数を組みましょう。E2からE6の合計額100がE7に集計されます。
数字の集計作業を行う場合によく使う関数です。

SUBTOTAL関数

SUBTOTAL関数は2通り使い方があります。

ひとつはオートフィルターをかけた場合に、フィルターをかけた部分のみを集計する使い方。もうひとつは、小計を除いて総計を求める使い方です。

フィルターをかけた部分のみを集計

オートフィルターをかける前提で集計を行う場合は、このSUBTOTAL関数を使用しましょう。
SUBTOTAL関数を使用することで、オートフィルターで抽出したあとの数字を集計することができます。

例えば、ExcelでOKとNGの判定をしたあとにOKの部分だけフィルターをかけて、そのOK部分の金額だけ抜き出したい場合に使えます。

使用する関数は

「=SUBTOTAL(集計方法,参照1,[参照2],…)」

です。

集計方法には1~11の数字を入れます。

1は平均値を求める、2は数値の個数を求めるなどその数字によって集計できることが異なります。経理実務で使う数字は9が多いです。9は合計値を求めるので、金額集計をする際に使用します。

参照1の部分には集計範囲をいれましょう。E2からE6まで集計したいのであればE2:E6と入力します。


例えばこの表。判定のうち「OK」のものだけ金額を集計したい場合は、「判定」にフィルターをかけて「OK」のみ抽出します。

 

E7のセルに=SUBTOTAL(9,E2E6)と関数を組むとOK判定であるE2とE4、E5の数字の合計額50がE7のセルに集計されます。

集計作業全般に使えるExcel関数です。

小計を除いて集計

経営者や外部の関係者に提出する書類はグループごとに小計して、そのグループの小計とは別に総合計を求める形式が多いです。

この場合、総合計にSUM関数を使用すると小計の数字まで拾ってきてしまうので正しい総合計をSUM関数で求めることはできません。そこでSUBTOTAL関数を使用します。

小計部分、総合計部分のどちらもSUBTOTALを使用すれば小計を含めずに総合計を算出することが可能です。

まずは小計をSUBTOTALで求めましょう。

F5のセルは=SUBTOTAL(9,F2F4)を入力して小計を集計。次にF8のセルは=SUBTOTAL(9,F6F7)で小計を集計します。

次に、総合計をSUBTOTALで求めましょう。

F9のセルは=SUBTOTAL(9,F2F8)で東京からF8の小計までの数字を指定して集計します。この場合SUBTOTALの関数を使用しているF5とF8の小計は加味されず、総合計を求めることができます。

見やすい外部資料や分析資料の表を作成する際に、使えるExcel関数です。


確認作業で使えるExcel関数

EXACT関数

EXACT関数はセルとセルの文字列を比較して一致しているかを確認する関数です。

例えば、同じ商品であっても経理部門と事業部門が異なる管理番号をつけているためにデータの突合ができないことがあります。そういった場合にこの関数で正誤をみつけることができます。

使用する関数は

=EXACT(文字列1,文字列2)

です。

A2セルとB2セルの文字列が一致しているかを確認する場合=EXACT(A2,B2)という関数をC2のセルに入力します。
A2とB2が一致していればTRUEで返ってきます。

A3とB3のように文字列が一致していない場合はFALSEで返ってきます。この場合はB3の管理番号2を管理番号002に修正するとFALSEからTRUEになります。

経理側のマスターと事業部のマスターが一致している必要がある場合などに使えるExcel関数です。

IF関数

IF関数は様々な応用ができる関数です。覚えておくと業務効率化に役立ちます。とある条件にあてはまったらこれ、違ったらこれ、といった細かい判定作業に適した関数です。

使用する関数は

=IF(論理式(AとBの関係),値が真の場合(C),値が偽の場合(D))

です。

算式を組み立てる際は「もしAがBだったらC、違ったらD」と考えましょう。

差額が10個超えていたら再チェック、以下であればOKという基準を設けてチェックするのであればIF関数が使えます。

D4セルでは=IF(C4>10,再チェック,OK)という関数を入力して判定を行っています。

この算式は「もし差分(C列)が10個を超えていたら再チェック、10個以下ならOKと表示する」という意味です。

「もしAとBが同じだったら…」「もしAとBが同じじゃなかったら…」のように複数パターンの関数を作ることができます。データ集計を行う場合に、複雑な工程や判断が必要な作業であっても簡単に処理できる関数です。

まとめ

いかがだったでしょうか?経理経験者で仕事が早い人はExcel関数に強い人が多いです。
経理部内の業務改善に是非役立ててください。


Biz人 編集部Biz人 編集部

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