事業をしていると決算書作成や確定申告をするために精算表を普段から書いておく必要がありますが、実際にはどのようにして精算表を書いていけばよいか困っているケースは多いです。
また、精算表の書き方がわからない状態を続けていると、事業で思ってもいなかったミスが起きたり、最悪の場合は税務署からの監査が入ったりする恐れがあります。しかし、精算表の書き方を理解して普段から書いておけば、決算作業をする際には円滑におこなうことが可能です。
精算表の書き方や種類について紹介していくので参考にしてみてください。
事業をしていると決算書作成や確定申告をするために精算表を普段から書いておく必要がありますが、実際にはどのようにして精算表を書いていけばよいか困っているケースは多いです。
また、精算表の書き方がわからない状態を続けていると、事業で思ってもいなかったミスが起きたり、最悪の場合は税務署からの監査が入ったりする恐れがあります。しかし、精算表の書き方を理解して普段から書いておけば、決算作業をする際には円滑におこなうことが可能です。
精算表の書き方や種類について紹介していくので参考にしてみてください。
【目次】
精算表とは決算作業を正確に円滑にするために作成する書類で、決算整理前に作成される残高試算表から、損益計算書および賃借対照表を作成するまでの流れを確認するための書類です。
主に試算表・修正記入・損益計算書・賃借対照表の流れで作成されますが、精算表を作っておけば具体的な流れをすぐに確認できるようになるため、実際に書類を作成する際のミスを防げます。
しかし、精算表に記載するそれぞれの流れを把握していなければ、精算表を作成することは困難です。
先に試算表・修正記入・損益計算書・賃借対照表について説明していくので、内容を確認してください。
試算表は年間に発生した取引の帳簿への転記で借方・貸方などの仕訳ミスがないかを確認するために使用しますが、それだけでなく毎月試算表を作成すれば月ごとの経営状態の確認にも役立ちます。
試算表に記載される内容は資産・負債・経費・売上・利益など、経営に関する項目が記載されていることから経営状態の把握が可能です。
試算表は一般的には毎月月末に作成することが多いですが、理由としては仕訳ミスや転記ミスに早く気づければ、大きな問題に発展するまでに対策が立てられるでしょう。
修正記入では試算表での間違っている部分に対して、正しい仕訳になるように修正をしていく段階です。
例えば、商品の仕入れを本当は売掛金にしているのに、現金で仕入れをしたことになっていると最終的な数値が変わってしまいます。
このように間違っている仕訳に対して正しい仕訳になるように、修正をした仕訳を記入していく段階です。
【間違っている仕訳】
仕入れ 50,000円 | 現金 50,000円 |
【修正仕訳】
現金 50,000円 | 仕入れ 50,000円 |
このように間違っている仕訳を修正してから、下の正しい仕訳をする必要があります。
【正しい仕訳】
仕入れ 50,000円 | 売掛金 50,000円 |
損益計算書は会社の1年間の経営状況を確認するために必要になる書類ですが、会社の収入や支出が一目で把握できます。
また、損益計算書では作成するために必要になる項目が、収益・費用・純利益であり、本業やそれ以外の事業でどれだけの利益を生み出したかによって、会社全体の純資産額が大きく変わるでしょう。
会社が支払う費用として一般的なのが、地代家賃や給与などの会社を経営するためには欠かせない費用が挙げられます。
損益計算書をしっかりと作成ができれば、企業全体の収益が順調に出ているのかや費用が多すぎたり、無駄な費用を使ったりしていないかの確認が可能です。
損益対照表は企業の資産・資産・純資産の状態がわかる書類ですが、バランスシートとも呼ばれてます。
賃借対照表では左側に資産関連を記載して右側に負債と純資産を記入しますが、資産合計と負債・純資産合計は同じ数値になります。
左側に記載する資産は流動資産・固定資産・繰延資産の3種類から構成されていて、右側に記載する負債は流動負債・固定負債で構成されていて、そこに純資産を加えて損益計算書は作成していくのが特徴です。
損益計算書では会社の資産と負債のバランスが見られるので、会社のさまざまな比率を確認できます。
精算表は決算作業を正確に円滑にするための書類ですが、具体的な書き方や流れについて把握しておかなければ、精算表が持っている本来の目的を果たすことが難しいです。
正確に円滑に精算表を作成して、決算手続きの概要を把握できるようにするにはいくつかの段階を守らなければいけません。
精算表の書き方について紹介していくので参考にしてみてください。
精算表では決算整理仕訳をおこないますが、試算表からの決算整理仕訳をすることで損益計算書や賃借対照表を正しく作成できます。
損益計算書や賃借対照表に間違いがあれば、最終的に作成をする決算書などにも間違いが発生してしまうため、損益計算書や賃借対照表を正しく作成するためにおこなう最終調整が精算表の仕分けです。
具体的には期中には計算をしない減価償却費の計上・期中の処理を繰延処置・売上原価の算出などが挙げられます。
精算表で仕訳をすれば期中に作成した試算表などの間違いにも気づくことができ、最終的には損益計算書や賃借対照表を正しく作ることにつながるでしょう。
精算表の仕訳をおこなって、試算表からの決算整理仕訳が正しくできていれば最終的に当期純利益が生まれたのか、当期純損失が生まれたのかについてもわかります。
例えば、精算表で決算整理仕訳をした結果として、当期純利益欄に記入した数字がプラスになっていれば利益が出ていて、マイナスになっていれば損失が出ています。
一般的に企業では大きな設備の導入や借入金を増やした場合以外に、当期純損失が発生していると当期の企業経営が思わしくなかったことになるでしょう。
精算表で決算整理仕訳をした結果として、当期純利益が出ている状態を継続することが大切です。
精算表では売上原価を記入する必要がありますが、売上原価の記入方法には仕入れとして仕訳をする方法と、売上原価として仕訳をする方法の2種類があります。
売上原価として仕訳をするのであれば、単純に売上原価の欄に必要になった金額を記入すれば問題ありません。
一方で仕入れとして仕訳をする際には機首商品-当期仕入-期末商品=売上原価で計算がされ、計算内容に合わせた精算表での仕訳が必要です。
【仕入れを活用した場合の仕訳】
残高試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 賃借対照表 | |||||
借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | |
繰越商品 | 200,000 | 150,000 | 200,000 | 150,000 | ||||
仕入れ | 1,000,000 | 200,000 | 150,000 | 1,050,000 |
【売上原価を活用した場合の仕訳】
残高試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 賃借対照表 | |||||
借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | |
繰越商品 | 200,000 | 150,000 | 200,000 | 150,000 | ||||
仕入れ | 1,000,000 | 1,000,000 | ||||||
売上原価 | 200,000 | 150,000 | 1,050,000 | |||||
1,000,000 |
▼精算表記入の8ステップを解説したページはこちら↓
精算表でのそれぞれの項目をどちらに分けて考えるかは、損益計算書と賃借対照表の項目に合わせて考えます。そのため、試算表では一般的には記載していく項目の順番が決められており、現金から資本金までの項目が賃借対照表の項目です。
そのあとの項目に続いていく売上から減価償却費までは損益計算書の項目として計算して、精算表ではまとめていきます。
注意点としては売上から最後の項目まですべてが損益計算書の項目になるわけではなく、前払い保険料や前受家賃などは賃借対照表の項目になる点です。
項目ごとに損益計算書と賃借対照表のどちらに対応しているかを判断して、正確に仕訳をしていかなければ最終的な仕訳結果が不正確になります。
精算表は最終的に正確な損益計算書や賃借対照表を正確に作成するためには必要不可欠ですが、精算表の書き方を間違ってしまうと損益計算書や賃借対照表も違ってくるでしょう。
決算書などの作成に損益計算書や賃借対照表は利用するので、決算書などの内容があまりにも実態と違っていると税務署の調査対象になる恐れがあります。
そうならないためにも、精算表の書き方をしっかりと覚えて正確に精算表を作成するのがおすすめです。
▼精算表を実務に生かす方法を詳しく解説したページはこちら↓