経理/簿記試験

簿記で役立つリース取引の仕訳と仕組みは?練習問題アリ

テーマ
日商簿記2級
執筆
簿記合格者

みなさんは、リース取引というものをご存知でしょうか?普段の生活でも、もしかしたら耳にしたことがあるかもしれません。このリース取引はみなさん個人も、会社も行うことのできる取引です。実際の簿記検定でも2級以降からよく出題されるため、確実にやり方を身に着けていきましょう。

リース取引とは

仕組みを覚えてリース取引を攻略。簿記検定の問題を解く前に知るべき事

 

レンタルとリースの違いは?

リース取引とはなんでしょうか。これは、ものを借りて使用する、ということです。

勘のいい方は、レンタルと何が違うのか疑問に思ったかもしれません。ですが、レンタルとリースでは異なる点があります。

 

まずは、借りる期間の違いです。リースでは最低でも半年程度の契約期間が定められています。レンタルビデオを半年間も借りる方はそうそういないでしょう。

また、リースでは契約期間の中途で解約することは原則として不可能です。レンタルでしたらもちろん可能です。

また、リースの場合は例えばコピー機などにかかる紙やインクは借り手側の負担になります。

さらに、リースでは借りる期間が終わった後に、割安でその物を購入できる権利が与えられる場合があります。こういった点で、リースとレンタルは相違していることがわかります。

 

リース取引のメリット・デメリット

リースは長い契約期間、中途での契約破棄は不可、消耗品は自己負担・・・ とみて、もしかしたらあまりよくないイメージを湧かれている方もいるかもしれませんが、リースにはあるメリットがあります。

それは、まずは導入コストが低いことです。リースは物の購入ではないため、購入代金ではなくリース料だけで済みます。さらに、設備は常に価値が低落していきます。リース期間を短めに設定して、常に最新の設備を使用し続けることができるのもリース取引の魅力です。また、所有しているわけではないため、廃棄する際のコストもかかりません。

しかし、デメリットもいくつかあります。まずはレンタルするよりは料金が割高です。ですが、もし借りる期間が長期にわたる場合は、リースの方がお得になります。

 

簿記検定での解答のポイント!
リース取引の2っのタイプを区別できるようになろう

カーブアウトをするのであれば、本社費用・管理費用も公認会計士にリスト化させて、今後は不要な費用として考慮する

では次に、簿記試験で出題されているリース取引について解説します。

現行の会計基準では、リース取引を2つの区分に分けています。

✔ オペレーティング・リース取引
✔ ファイナンス・リース取引

 

簡単に説明すると、オペレーティング・リース取引は資産の賃貸です。支払ったリース料はすべて経費として計上をします。

ファイナンス・リース取引は、資産の売買と同一視ができる取引です。まるで代金を分割で支払っているようなものです。

また、ファイナンス・リース取引については、リース料とリースする資産のそのものの価値との差額を利息として考えています。その利息の扱いも、

—–
Ⓐ 利子抜き法

Ⓑ 利子込み法

—–

と二種類あるため覚えておきましょう。

ここで、二つの取引の仕訳の形状を見てみましょう。

オペレーティングリースの仕訳

オペレーティングリースはリースの契約時には仕訳を行いません。リース料金の支払い時に仕訳をきります。

リースの契約時
仕訳なし

リース料の支払い時
支払リース料 ××× / 現金預金 ×××

 

ファイナンスリースの仕訳

オペレーティングリースと異なり、ファイナンスリースでは、リースの契約時にも仕訳を切ります。

また、リース料の支払い時には、2つの方式によって仕訳が異なります。

リースの契約時
リース資産 ××× / リース債務 ×××

リース料の支払い時
<Ⓐ利子抜き法の場合>
リース債務 ××× / 現金預金 ×××
支払利息  ××× /
<Ⓑ利子込み法の場合>
リース債務 ××× / 現金預金 ×××

決算時
減価償却費 ××× / 減価償却累計額 ×××

オペレーティング・リース取引は支払リース料として費用計上をしていますが、ファイナンス・リース取引はリースを資産と負債として計上しています。利子抜き法の場合は、リース資産・負債はリース資産のそのものの価値をベースとしていますが、貸し手の購入金額が不明な場合は別途計算して求める必要があります。そこは計算問題で後述します。利息は支払時に支払利息として計上します。利子込み法の場合はリース料の全額をそのままリース資産・リース負債として計上します。

 

 

所有権移転ファイナンス・リース取引

また、ファイナンス・リース取引についてはさらに2つの区分を設けています。それは、

  • 所有権移転ファイナンス・リース取引
  • 所有権移転外ファイナンス・リース取引

言葉のそのままの意味ですが、②の場合は、契約期間(リース期間)が満了した後にそのリース資産が自分のものになります。この2つには少しだけ計算方法に違いがあるため、のちに説明します。

 

定額法と利息法

また、さらに細かい違いがあります。

利息の計算方法についてです。これは利子抜き法のみの分類です。

ア 定額法
イ 利息法

利息の計算を、リース期間で按分して計算する定額法か、ある一定の数値を乗算して求めていく利息法に分かれます。

 

 

簿記1級、簿記2級に出題されるリース取引の全体像を覚えよう

ここまでの分類は、細かくなっているため図でおさらいしておきましょう。

オレンジ色の区分は日商簿記検定では2級、黄緑色の区分は1級での出題範囲となっています。

リース取引は法改正を控えているため、今後はオペレーティング・リース取引の区分が数年後になくなります。覚えておいてください。今後の動向もみなさんでもチェックしてみてください。

簿記の練習問題

リース取引の練習問題で簿記に慣れよう

では最後に、リース取引の問題を通して理論を身に着けていきましょう。簡単な問題ですので、リラックスして解いてみてください。

初めての方はまず、解説(次ページ)を見ながら一緒に解きましょう。

 

【問題】
次の取引の仕訳を行いなさい。
2020年4月1日に、A株式会社はリース会社より新品の業務用普通自動車を1台リースする契約を締結し、同日より取引・使用を開始した。リース契約の詳細は以下の通りである。
また、A会社の決算日は3月31日である。
・リース期間:5年
・貸し手の購入価額は1,800,000円
・リース料の支払い日:1年に1度、3月31日(後払い)
・リース料:1年間450,000円
・この取引は所有権移転外ファイナンス・リース取引に該当する。
・リース資産の耐用年数:6年(残存価額は0円)
・利子抜き法、定額法で計算しなさい。
〈使用する勘定科目〉
・リース資産 ・現金預金 ・リース負債 ・減価償却累計額 ・減価償却費 ・支払利息
〈解答用紙〉

 

>>次ページ:解答・解説

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