経理/簿記試験

決算初心者も安心!複雑な法人税と消費税の仕分の覚え方

簿記3級、簿記2級
経理処理
監修
公認会計士

法人税と消費税の仕分

税金の仕分処理がわからない!? 複雑な法人税と消費税も覚えるには、パターンをマスターしよう

経理の実務上、税金の会計処理は不可欠です。ところが税金の種類はたくさんあり、どの税金がどの勘定科目に対応するかわからなくなりませんか?

税金だから「租税公課」で処理しておこう…。と曖昧な判断で処理して、そのあとのチェックが漏れた場合に、間違いに気づかず月次を締めてしまうということも十分ありえます。

こういったことのないように、実務上よく使う税金の勘定科目についてもしっかりと把握しておきましょう。

まず、前半では、これらの法人税に関する科目について解説をしていきます。

①仮払法人税等
②法人税等
③未払法人税等(未収法人税等)

 

また、後半では、消費税に関する仕訳について説明をしていきます。

④仮払消費税
⑤仮受消費税
⑥未払消費税(未収消費税)
⑦租税公課または雑収入

です。

 

ステップ1:中間納付ならば「①仮払法人税等」に計上

法人税を先払いするのが中間納付です。前事業年度の法人税額または仮決算により今事業年度の6か月の実績の金額をベースに、中間納付の金額が確定します。

納期限にまでに納付し、納付した日に通常仕訳で下記の仕訳を切ります。

(仮払法人税等)400,000円 (現金預金) 400,000円

 

ステップ2:決算仕訳では、「②法人税等」と「③未払法人税等」を計上する

決算になるとその事業年度の法人税等の金額と、税務署に納付する額が確定します。その事業年度の法人税を計上し、中間納付を差し引いた金額を未払法人税等に計上しましょう。(今事業年度の法人税等の額が中間納付した法人税よりも小さかった場合は未収法人税等を計上します。)

決算仕訳で下記の仕訳を切ります。

(法人税等)1,000,000円 (仮払法人税等)400,000円
(未払法人税等)600,000円

 

ステップ3:翌事業年度に「③未払法人税等」を”取崩す”

翌事業年度に未払法人税等を取崩

(未払法人税等)600,000円 (現金預金) 600,000円

未払法人税等は、その事業年度終了の日の末日の翌日から2か月以内(納期限の延長をしていれば3か月以内)に税務署に納付しなければいけません。未払法人税等は翌事業年度の法人税の納付時に取崩を行いましょう。

 

 

消費税の仕分で覚えたいのはこの4つ!これさえマスターすれば会計処理に迷わない。

法人税の会計処理に使う勘定科目は

④仮払消費税
⑤仮受消費税
⑥未払消費税(未収消費税)
⑦租税公課または雑収入

です。ここから後半では、これらについて解説します。

 

ステップ1:期中の取引では「④仮払消費税」と「⑤仮受消費税」を計上

日々の取引で生じた仮受消費税と仮払消費税を決算まで積み上げていきます。

 

◆期中で「売上」関係の取引を行う場合◆

(売掛金)440,000円 (売上)400,000円
(仮受消費税)40,000円

 

◆期中で「仕入」関係の取引を行う場合◆

(仕入)600,000円 (買掛金)660,000円
(仮払消費税)60,000円

 

 

ステップ2:中間納付を「④仮払消費税」に計上

消費税の先払いするのが中間納付です。前事業年度の消費税の年税額が48万円を超える場合は中間納付を行います。
納付のタイミングは前事業年度の消費税の金額が大きさで変わります。

納期限にまでに納付し、納付した日に通常仕訳で下記の仕訳を切ります。

(仮払消費税)500,000円 (現金預金) 500,000円

 

 

ステップ3:決算仕訳で④仮払消費税と⑤仮受消費税を相殺して未払消費税を計上

決算になるとその事業年度の税務署に納付する消費税額が確定します。その事業年度の仮払消費税(中間納付分を含む)と仮受消費税を相殺し、未払消費税を計上しましょう。(中間納付の金額が大きい場合や設備投資を行い仕入れ側の仮払消費税が大きいと未収消費税を計上することもあります)

未払消費税の金額は、税理士が作成した消費税の申告書に記載されている金額を使用します。

仮受消費税と仮払消費税を相殺した後の金額は未払消費税と近い金額になりますが、一致することはほとんどありません。相殺後の金額と未払消費税の金額の差額は「租税公課」もしくは「雑収入」で処理することになります。

 

◆決算仕訳で下記の仕訳を切ります。◆

(仮受消費税)9,990,000円 (仮払消費税)9,400,000円
(租税公課※)10,000円
(未払消費税)600,000円

※相殺額(9,990,000円-9,400,000円=590,000円)と未払消費税600,000円は、相殺額のほうが小さかったので「租税公課」で処理していますが、もし相殺額のほうが大きかった場合は「雑収入」で処理します。
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未払消費税は、その事業年度終了の日の翌日から2か月以内に税務署に納付しなければいけません。未払消費税は翌事業年度の消費税の納付時に取崩を行いましょう。

 

◆翌事業年度の消費税の納付時に通常仕訳で下記の仕訳を切ります。◆

(未払消費税)600,000円 (現金預金) 600,000円

 

 

 

「預り金」勘定を使って、住民税や給与を攻略! 個人の税金の立て替え払いにつかう勘定科目


自社以外のお金を預かって、代わりに支払いを行う場合は「預り金」勘定を使用します。

 

費用計上時に支払額から差し引いて預り金を認識

従業員の住民税の支払いや、給与源泉、個人の外注先への報酬源泉は、本人の代わりに会社が市区町村や国に納付を行うため、給与発生時や個人の外注先の費用発生時(または支払い時)に預り金勘定で処理します。

(外注費)100,000 (未払金)80,000
(預り金)20,000

 

 

市区町村や国への支払い時に預り金を認識

そして給与や費用を個人に支払った月の翌月10日に住民税や源泉所得税を従業員の市区町村や国(税務署)へ納付します。納付時に預り金を取り崩しを行います。

(預り金)20,000 (現金預金) 20,000円

 

 

それ以外の税金につかう勘定科目

上記以外の

登録免許税、印紙税、固定資産税、不動産取得税、自動車税(軽自動車税)、消費税(税込方式)、事業税、事業所税、都市計画税、所得税及び復興特別所得税、住民税、国税の延滞税・加算税、地方税の延滞金・加算金、罰金、科料、過料

などの税金関係は「租税公課」で処理します。

 

まとめ

ほとんどの自社の税金は「租税公課」勘定で処理をしておけば問題はないです。しかし、法人税と消費税については違う会計処理をするということは覚えておきましょう。

また、本来従業員や個人の外注先が納付すべき税金を、会社が立て替えて納付する場合があります。その際は「預り金」勘定で処理します。

これらの税金の取引を理解して適切な勘定科目を使用していきましょう。

Biz人 編集部 経理応援隊/簿記応援隊Biz人 編集部 経理応援隊/簿記応援隊

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