経理/簿記試験

経理担当者なら取得したい!日商簿記3級でよくでる仕訳_金銭の貸付・借入

テーマ
金銭の貸付・借入
監修
簿記マスター



お金の貸し借りは銀行だけではなく、企業同士でまたは企業と従業員の間で行われることもあります。長期間の借り入れを行う場合には保証人を選定して借用証書の提出し、短期間の借り入れであれば手形を振り出すケースが多くみられます。問題を解くにあたっては貸付側と借入側、どちらの立場の仕訳を行うのかを明確にすることが重要です。

【目次】

利息の授受を返済のときに行うケース

まず、利息を元本返済時に受け取るケースを貸付側と借入側それぞれの立場で見てみましょう。

1.A社はB社に対して300,000円を貸し付け、借用証書を受け取りA社の普通預金口座からB社の当座預金口座へ振り込んだ。なお、利息は返済時に受け取る契約である。

A社(貸付側)の仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
貸付金 300,000 普通預金 300,000

B社(借入側の仕訳)

金額 貸方科目 金額
当座預金 300,000 借入金 300,000

A社はお金を貸したので「貸付金」を計上します。あとで金銭を返してもらえる権利、つまり資産の増加です。

一方、B社はお金を借りたので「借入金」を計上します。借金はあとで返済しなければならない義務、つまり負債の増加です。

2.A社はB社に300,000円を貸し付けていたが、本日、返済期日となり利息750円とともにB社の当座預金口座からA社の普通預金口座へ振り込みが行われた。

A社(貸付側)の仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
③普通預金 300,750 ①貸付金 300,750
②受取利息 750

※〇数字は仕訳の順序を表しています。

①A社は貸していた300,000円を返済してもらったので、貸付金(資産)が減少します。

②お金を貸していたので利息を受け取ります。「受取利息(収益)」として貸方に利息750円と記入します。

③返済を受けた金額300,000円と利息の受取額750円の合計300,750円が、普通預金の増加額となります。

B社(借入側の仕訳)

借方科目 金額 貸方科目 金額
①借入金 300,000 ③当座預金 300,750
②支払利息 750

※〇数字は仕訳の順序を表しています。

①B社は借りていた300,000円を返済したので、借入金(負債)が減少します。

②お金を借りていたので利息を支払います。「支払利息」(費用の発生)として借方に利息750円を記入します。

③返済をした金額300,000円と利息の支払い額750円の合計300,750円が、当座預金より支払われたので資産が減少します。

利息の処理をするときに多いのが、お金を貸しているのに「支払利息」を計上するような勘定科目のミスです。お金を貸したら利息は受け取ります。一方、お金を借りたら利息は支払います。基本的な事項ですがいざ仕訳をするとミスをしやすいので注意が必要です。

利息の授受を貸し付け時に行うケース

次に、貸し付け時に利息の授受をするケースを貸付側と借入側それぞれの立場で見てみましょう。

3.A社はB社に対して300,000円を貸し付け、借用証書を受け取り、利息500円を差し引いた残額をA社の普通預金口座からB社の当座預金口座へ振り込んだ。

A社(貸付側)の仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
①貸付金 300,000 ③普通預金 299,500
②受取利息 500

※〇数字は仕訳の順序を表しています。

①貸したときに利息の処理を行うため金額を299,500円としてしまうミスが多くみられますが、あくまでも貸した金額(あとで返済してもらう額)である300,000円を記入します。

②お金を貸した側なので「受取利息(収益)」として貸方に記入します。

③貸付金から利息分を差し引いた残額を振り込んだので、貸方普通預金は299,500円となります。ア.お金を貸し普通預金から振り込んだ仕訳とイ.利息を受け取り普通預金で受け取った仕訳を同時に行っていると考えると理解しやすくなります。

ア.(借方)貸付金 300,000 (貸方)普通預金 300,000

イ.(借方)普通預金  500 (貸方)受取利息   500

アとイの普通預金を相殺すると、貸方に普通預金299,500円となります。

B社(借入側の仕訳)

借方科目 金額 貸方科目 金額
③当座預金 299,500 ①借入金 300,000
②支払利息 500

※〇数字は仕訳の順序を表しています。

①借りた金額300,000円を「借入金」として負債計上します。後に返済する金額を記入することに注意しましょう。

②お金を借りた側なので「支払利息(費用)」として借方に記入します。

③借入金から利息分を差し引いた残額を振り込んでもらったので、普通預金は299,500円となります。

4.A社はB社に300,000円を貸し付けていたが、本日、返済期日となりB社の当座預金口座からA社の普通預金口座へ振り込みが行われた。なお、利息は貸付時にすでに受け取っている。

A社(貸付側)の仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金 300,000 貸付金 300,000

B社(借入側)の仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
借入金 300,000 当座預金 300,000

 

手形により貸付けを行うケース

手形を振り出して金銭の貸し借りをする場合は勘定科目が異なります。

・手形を受け取り、金銭を貸し付けた⇒「手形貸付金(資産)」

・手形を振り出し、金銭を借り入れた⇒「手形借入金(負債)」

指定勘定科目をよくチェックして勘定の記入をしましょう。

利息の計算方法

利息の計算を月割や日割りで行う問題は過去に何度も出題されています。その利息の計算方法を見てみましょう。

5.X社は期間6カ月、年利率2%で500,000円を貸し付けていたが、本日、返済期日のため利息とともに現金で返済を受けた。

借方 金額 貸方 金額
現金 505,000 貸付金 500,000
受取利息 5,000

利息の計算 500,000円×2%×6カ月÷12カ月=5,000円

利率2%は1年間の利率なので500,000円×2%=10,000円は1年分(12カ月分)の利息です。貸付期間は6カ月なので、「6カ月/12カ月」と月割計算を行います。

6.Y社は借入金200,000円を返済した。借入期間は73日、年利率1.5%であり利息とともに当座預金より支払った。

借方 金額 貸方 金額
借入金 200,000 当座預金 200,600
支払利息 600

利息の計算 200,000円×1.5%×73日÷365日=600円

利率1.5%は1年間の利率なので200,000円×1.5%=3,000円は1年分(365日分)の利息です。借入期間は73日なので「73日/365日」と日割り計算を行います。なお、うるう年が気になるところですが、通常は問題文内に「1年を365日として計算する」と指示がありますのでご安心ください。

 

上記以外にも様々なケースがあり、役員や従業員へ金銭を貸し付けた場合には「役員貸付金」や「従業員貸付金」を使うこともあります。問題をよく読み指示に従いましょう。

Biz人 編集部 経理応援隊/簿記応援隊Biz人 編集部 経理応援隊/簿記応援隊

経理実務や簿記の試験対策に役立つ知識を提供します。

人気Articles

  1. 仮払金とは何?間違えやすい勘定科目も一挙解説!

  2. パソコンの勘定科目や仕訳はどうなる?金額で変わる点に注意!

  3. D2Cとはなに?鍵となるマーケティング戦略についてわかりやすく解説!

  4. 2022年新しいマーケティング戦略とは?

  5. 素人でもわかる貸借対照表とは(BSの見方)

  6. 消費税の課税対象の判断時の落とし穴

  7. 製品ライフサイクルとは?取るべきマーケティング戦略を5つの時期ごとに解説

  8. 会計士が語る期末決算の仕訳をする前に知りたい6選

  9. 消費税の計算で失敗しない仕訳とは?

  10. 連結会計を難しくさせている大きな要因「非支配株主持分」をわかりやすく解説!