仕事をするなかであらゆる場面で契約書を取り交わします。
その中で発生するのが印紙税であり、契約内容や金額によっては高額になります。この記事では、ビジネスマンがちょっとの工夫で印紙税額を抑える節税術をお伝えします。
今回オススメするのは、簡単かつ低リスクな方法です。
仕事をするなかであらゆる場面で契約書を取り交わします。
その中で発生するのが印紙税であり、契約内容や金額によっては高額になります。この記事では、ビジネスマンがちょっとの工夫で印紙税額を抑える節税術をお伝えします。
今回オススメするのは、簡単かつ低リスクな方法です。
【目次】
契約書の記載金額を、税抜き価格で表記することで節税できます。
印紙税法上、第1号文書、第2号文書、第17号文書に関しては、その取引で課されるべき消費税額等がその記載から明らかな場合は、消費税は記載金額に含まないと定められています。
例えば、請負契約(2号文書)の場合、契約金額を普通に1,100万円(税込)と記載してしまうと、印紙代は2万円発生します。
これを、1,000万円(内、消費税100万円)と表記することで、その契約書の記載金額は1,000万円となり、印紙税は1万円となります。
契約金額の変更契約を交わす際、変更前の金額または変更額を記載することで節税できます。
時々、変更後の金額のみを記載し、その金額分の印紙が貼られているのを見かけますが、本当に勿体ないと感じます。
変更前の金額から減額する契約書の場合、変更前の金額または減少金額を記載することで、金額の記載がない契約書となり、印紙税がかかりません。
例えば、土地売買契約の変更契約書の場合、
「●年●月●日付土地売買契約書の売買金額を900万円に変更する。」
と減少金額が明らかでない書き方をすると、記載金額が900万円の1号文書となり1万円の印紙税が発生してしまいます。
これを、
「●年●月●日付土地売買契約書の売買金額を1,000万円から900万円に変更する。」
または、
「●年●月●日付土地売買契約書の売買金額を100万円減額する。」
と記載した場合、金額の記載がない1号文書となり、印紙税がかからなくなります。
また、変更前の金額から増加する場合は、その増加額に印紙税かかります。
つまり上記の例で言うと、
「●年●月●日付土地売買契約書の売買金額を900万円から1,000万円に変更する。」
または、
「●年●月●日付土地売買契約書の売買金額を100万円増額する。」
と記載すると、記載金額が100万円の1号文書となり、印紙代は1,000円で済みます。
増額の場合でも、変更前の金額が明らかでない場合は、変更後の金額の印紙税がかかってしまうので要注意です。
契約書によっては、あえて2つに分けて作成したり、2つの契約書を1つにまとめたりすることで節税できる場合があります。
例えば、500万円の機械を工事費30万円で取り付ける契約を締結したとします。
1つの契約書に、特に費用の内訳無く契約金額を530万円と記載した場合、印紙税が1万円かかります。
ここで、契約書を機械の売買契約書と設置工事の請負契約書の2つに分けた場合、売買契約書の記載金額は500万円ですが、非課税文書なので印紙代ゼロです。
そして請負契約書の方は、記載金額が30万円で印紙代は200円となります。
契約書を2つ作成するという手間がありますが、9,800円もの印紙税を節税できるのです。
一方で、2つの契約内容を1つにまとめるという方法があります。
例えば、機械製作を1,200万円で請負う契約とともに、そのための資金600万円を借り入れる契約を交わしたとします。
個別に2つの契約書を作成したとすると、機械製作の請負契約書の印紙代が2万円、資金の借入契約書の印紙代が1万円で、合計3万円の印紙税がかかることになります。
これを1つの契約書にまとめると、印紙税は請負契約書の2万円のみで済みます。(1号文書の金額を超える2号文書と、1号文書の事項が併記されている場合、2号文書が優先されます。)
印紙税は、1つの文書ごとに課税されるため、1つの契約書中に課税される内容が2つ以上記載されていたとしても1つの課税文書として取り扱われるのです。
よくある印紙の節税方法として、契約書を1通だけ作成し、取引の相手方に印紙を貼ってもらい、自社はそのコピーを保管するというものがあります。
自社は一切印紙税を支払わなくて済みますし、効率的な方法です。
しかし、紛争発生時に裁判になった際、原本を持っている相手方の方が多少に有利になる可能性があったり、相手方が印紙額を誤って貼っていたり、または貼付けを怠った際に、連帯責任を問われる可能性があります。
多少のリスクがある以上、個人的にあまりオススメできないかなと感じます。
また、電子契約に切り替えるという方法もあります。
印紙税法上、課税対象となるのは紙の書面であると定められており、電子データには印紙が不要であると解されています。
さらに、電子契約はコスト的にも時間的にも沢山のメリットがあります。
しかし、大体の会社には、契約書の取扱いに関する社内ルールがあると思います。
紙の契約書から電子化するとなると、会社全体(場合によっては取引先も)を巻き込んで行うこととなるので、今すぐには現実的に難しいのではないかと思います。
今回紹介した方法は明日からでも実行できる節税術かと思います。
また、契約金額が大きいと印紙代も高額になるので、この方法を使うことで、数十万単位の印紙税が節約できることもあります。
知っておいて絶対に損はない節税術だと思うので、是非参考にしていただければ幸いです。