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中古マンションを購入する時に気を付けるべき点6選

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中古マンションを購入する時に気を付けるべき点6選
監修
不動産投資家

中古マンションを購入する時は次の6つの点に注意しましょう。『リフォームするには限界がある』『電気設備に注意』『ガス設備に注意』『自由に変えることができない共用部分』『隣同士の部屋を購入して一部屋にすることは不可』『追い焚き機能は後から付けるのは難しい場合が多い』

今回は6つのポイントを紹介します。

 


リフォームするには限界がある

よく不動産業者は「リフォームすれば何でもできる」といったような趣旨のセールストークをしてきて、何とかマンションを購入してもらうようにしてきますが、実際は多くの制約があります。

たとえば、電気・ガス・排水や給湯などの設備関係は管理組合の同意が必要な場面がありますので、基本的には変更するのは難しいと考えてください。

一番多いのは、キッチンをアイランドキッチンや対面型キッチンにしたいという要望で、リフォーム業者に見積もりを取ってもらうと多くの費用が掛かったり、排水管の傾斜が取れない、傾斜が取れても排水管を色々な場所を経由させなければいけなく、角が多くなるといった問題が出てきたりします。

排水管は、法律で一定程度の傾斜を取らないといけませんが、法律の問題をクリアしても排水管が長くなり、角が多くなると流れが滞りやすくなるため、詰まるリスクが高まります。

多くのマンションでは、排水の立ち上がり位置が決まっているため、キッチン移動には制約が多くなるといった点は注意しましょう。

電気設備に注意

多くの方があまり気にしないところですが、キッチン周りに食洗器を置きたいとかIHにしたいなどと考えた場合に問題が出てきます。

中古のマンションを買う際に、注意したいのは築年数が新しいマンションであれば、電気量は50、60アンペアに設計されていることがほとんどですので問題はありませんが、築年数の古い30、40年ぐらいのマンションはそれ以下に設計されていることが多く、ドライヤーや電子レンジを使うときにブレーカーが飛びやすくなり、食洗器やIHを付けれたとしても、日常的には使いづらくなります。

また、不動産の営業マンも内見の時に、電気設備のことについては、大半が詳しく知っているということはなく、気にされることもほとんどないです。

もちろん、不動産投資家なら気にしないといけませんが、一般人が電気設備の点を気にすることはないので、重要な部分ではありますが、忘れがちな部分でもあります。

ガス設備に注意

マンションによってガス管の太さが違うので、ガス設備には注意が必要です。

ガス設備の性能には主に16号、20号、24号があり、16号は2~3人、20号は3~4人、24号は4,5人で使うことを前提にした給湯能力となります。

16号がどれほどの給湯能力かというと、目安としてキッチンでお湯で洗い物をしながら、お風呂を沸かすことはできず、どちらかが水になってしまうぐらいです。

最低でも20号程度は必要最低限ほしいところですが、ガスストーブやガスファンヒーターなどを入れたい場合は、24号ないと厳しくなります。

築年数が古い30年以上のマンションはファミリータイプのマンションでも16号の場合が多く、給湯能力を上げるためにはガス管の太さを変えないといけません。

また、ガス管の増設工事そのものは簡単にできますが、ガス管の増設には管理組合の同意が必要になります。

しかし、昔のマンションなどは、購入前の自分以外の区分所有者が勝手に各自でガス管16号を20号や24号に、変えてしまっていることもあるため、マンションに引き込んであるガス管の太さが足りなくなっていて、もうガス管の増設ができないといったケースもあります。

排水設備や配管設備の改修や工事については、管理組合に管理規約がありますので確認してください。

自由に変えることができない共用部分

マンションには専有部分と共用部分があります。

専有部分とは、簡単に言えば自分が好きにしていい部分のことで、自分の住んでいる部屋の内装部分や床、ドアの内側部分などがこれにあたります。注意しなければならないのは、共用部分であり、これは他の区分所有者と共有している部分を意味し、自由に改修や変更することができません。

注意しなければいけない、自由に変えられない共用部分を変更する場合には、管理組合の同意が必要になります。多くの方が誤解しやすい部分で、たとえばバルコニーやベランダは専有部分ではなく、共用部分です。

他にも、窓やドアの外側も自由に変更することができませんし、ゲストルームや1階の専用庭も共用部分なので、変更には管理組合の同意が必要になりますので注意してください。

たとえば、広いルーフバルコニーに土を埋めてガーデニングをしたいと思ってもバルコニーに土の荷重が加わることで構造上問題がでる可能性があるので、植木鉢に植物を植えて、すぐ移動できる状態にしてください、などと言われたりします。

隣同士の部屋を購入して一部屋にすることは不可

よく勘違いされる方が多いですが、自分の部屋が隣同士だからといってコンクリートの壁を抜いて、ワンルームではなくファミリータイプのマンションとして使うことはできません。

何故なら、マンションの壁は構造壁といって、地震に耐えるために釘一本まで綿密に計算されて建てられています。

つまり、部屋と部屋の間を隔てるコンクリート壁は、マンションを支えるための重要な壁ですので、ほとんどの場合、壊すことはできないようになっています。

確かに物件によっては、ファミリータイプのマンションを1部屋買うよりも、ワンルームマンションを2部屋買って1部屋にした方がリフォーム工事代金含めて安くなることがありますが、大半はできないので注意してください。

追い焚き機能は後から付けるのは難しい場合が多い

追い焚き機能を付ける際に、問題になるのは循環させるための配管をどのように配置するかといった部分です。

正直、追い焚き機能を後から付ける場合、付けれないことはありませんが、新規増設工事をする際に熱を循環させるための配管の場所を確保しないといけないため、かなり大掛かりな工事となります。

多くの場合、全改修が必要になるので、工事費用が多額に掛かることになりますので、最初から中古マンションを購入する際は、追い焚き機能が最初からついているマンションを選ぶことをオススメします。

最後に

いかがでしょうか。

今回、お話した気を付けるべき注意点ですが、これを不動産業者が自分からお話することは、あまりありません。

不動産業者側にとってはこういった情報は、不利にしか働かない情報なので、自分から言うことで購入を見送られるようなことはしたくないからです。

これがすぐに変更できる、もしくは少額の工事費用でどうにかなるのなら、不動産業者側もメリットばかり言うセールストークでは、信頼を得られないので自分から話すメリットがありますが、これらの設備に関する注意点は、言ったところで管理組合の同意や多額の工事費用といった観点でどうにもなりません。

ですから、自分が中古マンション購入の際には、かなり注意しないといけない部分として紹介させていただきました。

みなさんのマンション購入の参考にしていただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

Biz人 編集部 経理応援隊/簿記応援隊

経理実務や簿記の試験対策に役立つ知識を提供します。

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