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マーケティングの中長期的戦略と短期決戦を詳しく解説

テーマ
マーケティングの短中長期的戦略
監修
Big4社員

マーケティング戦略と並行して中長期的に成功して終わらせる、短期的に成功して終わらせるかどうかを選定しておく事がマーケティングには必要です。その中から長期的ロングセラー、会社名に取って変わる様なブランドとして成長する可能性もあります。まずは中長期的戦略と短期戦略を出してみましょう。


マーケティング戦略とタイミング

流動資産と固定資産、準固定費、消耗品がある様に財務諸表の科目も期間別に分類されています。会計期間は1年間。ではマーケティングはどうでしょうか。一つの商品サービスを開発したらどれくらいの期間にどれだけ売り上げるのか、長期的に売り続けるのか、ロングセラー化して自社の定番商品にするのか、更にこの1点だけの名品で勝負するのか、これを決定するのがマーケティングです。

基本的な手法3C分析はしておこう

自社(Company) 顧客(Customer)競合(Competitor)のCを取り3C分析を行います。まずは基本的な3C分析から始めておきましょう。
まず市場研究から始めます。マクロの視点とミクロの視点の両面から市場を見ていきます。マクロの視点では景気動向やGDPなど国全体を見ます。ここから顧客分析に繋がっていきます。ミクロの視点では、もう少し狭い世界、自社が属する業界の市場動向を見ます。マクロとミクロの両面から市場を分析すると自ずと顧客動向が見えてきます。
競合(Competitor)分析では、では同業種他社ではどういう戦略を取っているのか、その原因と結果を分析します。基本的な3C分析をやっておけば、アクシデントが起こった時にどこに戻れば良いのかが分かります。科学の世界でも基本が根底にありそれは揺るぎません。アインシュタインのE=mc²が全ての基本となっています。基本は抑えておきます。マーケティング手法とは製造業の工程と同じであり、工程を踏んでいけばミスは起きないのです。どこで間違いが起きたのか、どこを調整すれば軌道修正出来るのか、その為にマーケティング手法がある事を忘れないで下さい。
最後にでは自社ではどうするのか、を分析します。自社の強味、弱味、脅威(外的な場合が多い)、機会(外的要因)をテーマとして行います。これをSWOT分析と言います。分析して戦略を練るところまで行います。

戦略のループ

この様に基本的な分析が出来たら、戦略が見えてきます。間違わないで欲しいのが戦略のループです。戦略を考える事に終始し、戦略の戦略を考える様になる戦略のループに気をつけて下さい。分析をして終わりではないという事、戦略を実践しなければ意味がありません。他の部署の実践部隊に戦略を実行して貰って下さい。

複合しているマーケティング手法

市場に置いておく事で仕掛けるマーケティングが主流と言われていますが、それが全てではないと考えておいて下さい。顧客満足度調査は20年前に終わっているそうです。
しかし終わった古い手法とイメージだけで決めつけると、どうなるでしょうか。「それはもう古いよ」の一言で誰もが最新手法の方向を向き、だれかが争奪戦に負ける事になります。Amazonはいち早くみんなと同じ方向から逆戻りし主流とは逆の方向に向かいました。その結果誰もが飽き飽きしていた◯◯から徐々に同じ様に逆方向に向かうコンシューマーを呼び入れる事に成功したのでした。これが「差別化戦略」です。
「集中戦略」では特定の顧客層を想定してその層が好む商品サービスを送り続けます。ではどの様にして特定の顧客層に届けるのでしょうか。それが複合手法です。


基本手法と複合させる自社分析

4C(顧客が得る価値・顧客側のコスト・顧客側の利便性・顧客と対話)だけで対応しようとしても机上の空論と化してしまうでしょう。コンシューマーの「差別化戦略」を乗せて戦略を組んでいきます。
4Pから30年経て4Cに移行した現代、次は4Cと複合させる何かを自社分析する事です。

中長期的戦略と短期決戦

5年~10年売れ続ける商品サービスが中長期的計画。一気に仕掛けて短期間に大量に売る打ち上げ花火の様な短期計画。そしてどれだけの期間で利益が見込めるのかを出しておきます。中長期的戦略は時間の猶予がありますが、短期決戦では結論がすぐに出ます。

失敗した時にどうするのかも戦略に含まれます。失敗した時は中長期的戦略に組み込むのか、販売箇所は第二候補地に移行するのか、戦略とはここまで考える事です。

SEOを使わないのかはマーケッター次第

Googleの上部に検索結果が出る様にしなければならないのは鉄則と言われています。マーケッター側が検索する時は「売れない」というワードを付けて市場分析します。これ等を総称してSEO対策と呼ぶ様に、マーケティングの武器はSEO対策が主流となっています。

亜流も用意しておく

こうなるからこれを買おう、準備しておく必要があると特定層にアドバイスする。少子化をテーマとすると「物は売れなくなる一方だ」と結論づけされる傾向にありますが、果たしてそうだろうか、そうならない様に商品サービスを生み出し活用して貰うのがマーケッターの役割なのではないか?を常に考えて下さい。

中長期的戦略の具体的商品を開発

最近目新しい商品サービスを目にした事はありますか。例えば児童を後ろに乗せた電動式自転車が良く走っていませんか。ビニールシートで覆われた自転車補助椅子(チャイルドシート)を装着した自転車です。少子化という脅威に左右されずに売上は順調な商品ではないでしょうか。

これは中長期的戦略(幼児~小学生低学年までの10年弱顧客は利用)商品と言えます。少子化という脅威を克服した一例と言えます。

戦略のテーマ

商店街を歩いていると、古くからやっているお店を見掛けます。UberEatsを利用していないお店、昭和30年代40年代に活躍した大衆食堂や魚屋さん、花屋さんなど。実は最近この様な希少価値となるほど減ってきた店舗やサービスが見直されつつあるのです。つまり人々は飽き飽きしているのです。それを解消する事は・・・。

コンテンツ・マーケティング手法で解消する

サブスクリプションにも飽きている現状。
「コンビニに行っても買う物がない」というハッシュタグの存在を知っているでしょうか。これは逆マーケティングです。そう思っているコンシューマーは多いのでしょう。共感する人がハッシュタグを辿って広めてくれます。広まると人々はコンビニに注目し始めます。これも逆マーケティングの一種です。

逆張り戦略と呼ばれます。一見マイナスに落ち込ませて上昇し始めるのを確認し、そこで爆弾を投入するのです。「何だ、こんな物も売っていたのか」と新しい発見を促すのです。

ブランディングとターゲティング

他社のブランドにも飽き飽きしていないでしょうか。では自分達で不ランディングしてみましょう。
コンシューマーもマーケッターも同じ消費者同士
自社の商品サービスをコンシューマーに買って貰う。他社の商品サービスを自分が買う。SNSマーケティングも外せません。自分の使いたいブランドをデザイン、開発してみる。
ブランドとしてシリーズ化して販売する事は長期的戦略に昇格する可能性があります。この場合は人々の目に触れる事が必要となります。マーケッター自ら利用し通勤途中や休日に持ち歩いて人の目に触れさせましょう。コストを掛けない宣伝方法となります。またターゲットを定め、売り込む事を考えます。
ある業界、施設の定番商品サービスとして開発する。

例えば中長期的に稼働すると予測される施設と言えば何があるでしょうか。ターゲットは3633。

3633は当社しか理解出来ない暗号ワードです。保育園は3年、小学校は6年、中学は3年、高校は3年通います。全人口が対象となります。商品開発、サービス考案だけでなく、マーケティング戦略ではどこで売るのか、「これからはここに必要」とターゲティングしていく事も中長期的戦略のテーマになりそうです。「ここで使って貰う」と「ここに必要な商品サービス」である事を決めておきます。これがターゲティングの意味です。

中長期的戦略と短期決戦は以上で完璧

中長期的戦略なのか短期決戦なのかを設定する事は重要です。マーケティングも工程に沿って進んでいきます。戦略を練ったら終わりではないのです。実際にマーケティング戦略は時間の経過と共に稼働していきます。

Biz人 編集部

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