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ソーシャルレンディングとは~手を出す前に知っておきたい落とし穴~

テーマ
ソーシャルレンディングと落とし穴
監修
投資のプロ

ソーシャルレンディングとは

ソーシャルレンディングはクラウドファンディングの事業投資バージョンのようなもので、要するに、インターネットで仲介会社であるレンディング企業が支援者を募集して支援金を募り、集まった支援金を主な借り手であるスタートアップ企業や零細企業などに貸し出して、利益が出たら支援者に利息を付けて返済する仕組みです。

不動産会社だけでなく、バイオマス事業や太陽光発電などのエネルギー事業にも投資できるのが、ソーシャルレンディングの特徴となります。

ソーシャルレンディングの落とし穴

ソーシャルレンディングは、ベンチャーやスタートアップ企業を応援するという社会的側面や投資という側面を持っており、利回りもREITより多少高く設定されているので、不動産投資を始めたいけど資金がないからという理由で始める初心者の方がいます。

不動産は、現物資産で株式と違って、紙くずにはならないので、最悪0になることもないから戻ってくると思って、初心者は手を出しやすい側面もあります。ですが、実際レンディング会社の融資先が破綻した場合は、貸したお金の一部、もしくは全額が戻ってきません。また、融資先はスタートアップ企業やベンチャーなどの財務健全性の低い企業が多く、銀行が融資してくれないからこそ利回りが高く設定されているわけですから注意が必要です。

上場企業のように、ソーシャルレンディングの融資先となる非上場企業は決算書がIR情報からダウンロードできないこともあり、自分で融資先の企業の情報を調べることは難しく、融資先の企業も全て公開されているわけではありません。また、過去には貸金業法との絡みで、融資先そのものが匿名となっていました。

現在は、匿名でなくて明示することができるようになっていて、順次、融資先の企業名が公開されるようになりましたが、まだまだ企業名を全公開するに至っていません。

退職金を全てソーシャルレンディングへ

実際に、不動産投資初心者の方が、定年退職して1000万円の退職金をソーシャルレンディングにつぎ込んだ方がいましたが、その方は年利15%という高利回りのソーシャルレンディングに応募してしまい、後に融資先の企業が経営破綻して貸し倒れが起きました。

この方の名前を鈴木さん(仮名)として、失敗例をお話していきたいと思います。

自由に解約できずそのまま融資先の企業が配当金を延滞

基本的に、ソーシャルレンディングは一定期間の資金拘束を受けるため、REITや株のように自由に資金を引きあげることはできません。

初心者の鈴木さん(仮名)はよく規約を読まずに、契約してしまったために、配当金回収の延滞や貸し倒れが起きた時に、自分の支援金を慌てて引き出そうとしましたが、途中解約もできず、そのままお金を預けることになってしまったのです。また、ソーシャルレンディングの特徴として融資先の企業が経営難になり、運用期間の延長を申し出た場合は、本来の償還期間よりも運用期間が延長されることが、よくあります。

鈴木さん(仮名)は、年利ベースの配当金を年金代わりに生活費に充てたかったわけですが、配当金回収もできず、一部元本の損失が合ったうえ、運用期間も延長となったため当初の資金計画が狂ってしまったのです。

鈴木さん(仮名)は未だに支援金の償還期間が来ていないので、自分の僅かな貯金を削って家族と質素な生活をしていますが、「自分の当初考えていた生活設計と全く違う結末になってしまった」と嘆くようになり、仲が良かった家族ともお金の事で揉めて、今では息子や娘などの家族とも疎遠となりました。

鈴木さん(仮名)はどうすればよかったのか

まず、ソーシャルレンディングは不動産投資と同じ性質なので、融資先の企業が破綻リスクがあるということを念頭に入れるべきでした。

また、規約をよく読むことはもちろんですが、資金拘束を受けることや償還期間の延長、配当金の延滞、元本の一部もしくは全部が返ってこないことを考慮に入れておくことが失敗しないためには必要だったのです。

こうした観点から、どのようにすれば失敗しなかったのかを説明します。

分散投資

どれほど注意しても、融資先の企業が倒産して貸し倒れになるリスクは小さくすることはできても、完璧に避ける事はできません。

ですので、複数の事業者に分散して投資することをおススメします。

そうすれば、ソーシャルレンディングの高利回りを享受しながら、元本の一部が毀損することはあっても全部が毀損するリスクを極力、避けることができます。

担保や保証付き案件を選ぶ

ソーシャルレンディングの中には、担保付案件や保証付き案件が存在します。

これらの案件を選ぶことで、最悪、融資先の破綻リスクがあっても、担保付物件や約束手形などの売却代金を利息や元本の返済に充てることになりますので、ある程度、安心して不動産投資を行うことができます。

事業者の選定

高利回り案件に惑わされず、過去に行政処分を受けたか、貸金業のノウハウを持っているか、実績はあるかを考慮に入れて、事業者のスクリーニングを行うことでリスクを回避することができます。

また、決算書が読める方はHPサイトでダウンロードして、ソーシャルレンディング事業者の財務健全性を分析したり、海外案件のような為替リスクを背負わない案件を選ぶというのも有効です。

ソーシャルレンディング事業者の中には、非上場企業も多くありますが、上場企業もありますので、内部統制システムや管理がある程度しっかりしている上場企業を選択するのもおススメします。

まとめ

いかがでしたか。

ソーシャルレンディングは、今まで銀行から融資をして受けることができなかったスタートアップ企業やベンチャーが広く、融資を受けられるという点で、そういった企業を支援する仕組みとしては画期的なものであると思います。

まずは、不動産投資としてソーシャルレンディングをこれから始めてみようとする方は、この記事で紹介した鈴木さん(仮名)のように、不動産投資初心者がハマりやすい落とし穴を避けて、ソーシャルレンディングを通した社会貢献を安全にしていただければと思います。

そして、多くの不動産投資を志す方々のご参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

Biz人 編集部Biz人 編集部

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