
学び合いの実践がもたらすクラスの変化と効果について解説します。
さて、今回の「クラスが元気になる!『学び合い』スタートブック」には、『学び合い』という活動が出てきます。『学び合い』とは、「授業中に子供同士がお互いに教え合って、問題や課題をクリアしていく」というものです。
いやいや、きれいごと言わないでよ!と思った先生、大丈夫。『学び合い』をすることのメリットを、先にお伝えしておきます。
『学び合い』でクラスはこう変わる
教師という仕事は、大変ですよね。新任の先生もベテランの先生も、同じことをしなくてはいけない。子どもが言うことを聞かなくても、クレームが怖くて強く言えない。周りの先生たちに聞いても、具体的な対応策は見えてこない。でも、大丈夫。『学び合い』を実践すれば、必ず、クラスは変わります。
「忙しくて死にそうだ」
→「授業にゆとりが出て、落ち着いて仕事ができる」
「気になる子がクラスをかき回す」
→「いろいろな子を助けてくれて、大活躍」
「何人かは授業についていけていない」
→「クラスの最低点が80点以上」
「クラスでいじめが起こった」
→「学力・性格・性別に関係なく、みんな仲がいい」
「もう少しで学級崩壊しそうだ」
→「子どもが毎日楽しく学校で過ごしている」
「誰も見捨てない」が本質にある
『学び合い』の説明の前に、覚えておいてほしいことがあります。それは、「誰も見捨てない」という考え方が大前提であるということです。
子どもは学校で、多くの時間を学習に使います。休み時間でやっても、給食の時間にやってもよいのですが、もっとも効率的に成果を上げるために、授業中に取り入れているのです。じゃあ、どうやって「誰も見捨てない」を実践するか。そこで、『学び合い』が登場します。
子どもたちも教師たちも、口には出しませんが、心の中で子どもたちをランク付けしています。「こいつは頭が悪いから仕方ないな」「どうしようもないけど、自分には関係ないからいいや」といった感じです。無意識に見捨てているのです。『学び合い』は、誰も見捨てません。様々な場面で助け合い、教え合います。安心感のある学級を目指します。それが、『学び合い』の本質です。
『学び合い』は、何がいい?
では、従来型の教師が教える授業より、何がよいとされているのでしょうか?
多くの先生が困っているのは、「問題児の対応」「一部児童の学力不足」「教材研究の時間不足」あたりですよね。
教師が話をするスタイルだと、必ず途中で問題が起きます。誰かがしゃべったり、立ち上がったり、歩き始めたり・・・。教師の体は一つですから、対応できるわけありません。ならばいっそのこと、「しゃべっていい」「立ち上がってもいい」「歩き回ってもいい」にしてみてはどうでしょう。
そして、そのきっかけを「学習」にしてみたらどうでしょう。
それだけでも、「静かにしなさい」「すわりなさい」「話を聞きなさい」を言わなくてもよくなりますよね。
子どもたちにとっても、注意されなくて済むのに加え、仲の良い友達が「なんか教えてやろうか?」と言って近づいてくるわけです。気楽に、手軽に、質問できますよね。しかも、マンツーマンでわかるまで教えてくれる。「ありがとう!」という言葉が自然と出る。教えた方も、教えてもらった方も、笑顔で終わる。結構いいな、と思いませんか?
しかも、その時間先生は授業をしなくていいのです。だって、自分の代わりに教えて回っている子どもたち(ミニティーチャーと呼びます。)がたくさんいるわけですから。にこにこ笑って、「○○さんは教えるのが上手だね。」「おっ、○○さんの今の言い方、いいんじゃない?」と褒めてあげればいいのです。試してみない手は、ありませんよね。
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